Swahili
Vol.3
(参考文献:白水社「ニューエクスプレス スワヒリ語」)
◆Hujambo?(フジャンボ)
スワヒリ文化では挨拶が非常に重要視されます。その中で最も多用されるのが、jambo(ジャンボ)を使った表現です。もともとjambo(ジャンボ)は「事柄、問題」と言う意味の名詞で、この名詞の前に否定の意味を持つ主語接辞(否定形)を付けて、「○○は大事がありませんか?」と言う尋ね方をします。それに対する返事は、必ず「○○は大事がありません」と答えます。
ここで、それぞれの主語に対する否定形の接辞を付けた表現をご紹介します。
sijambo(スィジャンボ=I have no problem.)、hujambo(フジャンボ=You have no problem.)、hajambo(ハジャンボ=He, She has no problem.)、hatujambo(ハトゥジャンボ=We have no problem.)、hamjambo(ハムジャンボ=You have no problem.)、hawajambo(ハワジャンボ=They have no problem.)
◆Habari
za safari?(ハバリ ザ サファリ)
英語のHow
was your trip?に相当します。habari(ハバリ)はnews、za(ザ)はof、safari(サファリ)はtripに相当します。
jambo(ジャンボ)の挨拶と並んで重要なのが、habari(ハバリ)を使った挨拶です。habari(ハバリ)はnewsに相当しますが、後ろにza(ザ=of)と別の名詞を伴って、「〜の調子はいかがですか?」と言う表現になります。
例えば、Habari
za kazi?(ハバリ ザ カズィ)と言うとHow is your work?に相当します。
これを応用すると、下記の通り、時間ごとの挨拶表現を作ることが出来ます。
Good
morning.に相当するのが、Habari za asubuhi?(ハバリ ザ アスブーヒ)と言います。Good afternoon.に相当するのは、Habari za mchana?(ハバリ
ザ ムチャナ)と言います。
Good
evening.に相当する表現は2種類あります。1つ目はHabari za jioni?(ハバリ ザ
ジオーニ)と言います。夕方くらいまで使う表現です。もう1つはHabari za usiku?(ハバリ ザ ウスィーク)と言います。夕方から夜まで使う表現です。
それからGood
night.と言う場合には、Lala salama.(ララ サラーマ)と言います。lala(ララ)はsleep、salama(サラーマ)はsafelyに相当し、直訳するとI sleep safely.となります。これに対しての返答は、Usiku mwema.(ウスィーク ムウェマ)と言います。直訳するとGood night.と言う意味になります。
◆Asante.(アサンテ)
英語のThank you.に相当します。
これに対し、Thank you very much.と丁寧に言いたい場合は、Asante
sana.(アサンテ サナ)と言います。そして、You’re
welcome.と言いたい場合は、Karibu.(カリブ)と言います。
◆Habari zako?(ハバリ ザコ)
英語のHow are you?に相当します。
このhabari(ハバリ)の挨拶に対しては、必ず「良い」と答えなければなりません。
例えば、Good.であれば、Nzuri.(ンズリ)、Very good.であれば、Njema
sana.(ンジェマ サナ)のように言います。Fine.であれば、Salama.(サラマ)、Very fine.であれば、Safi kabisa.(サフィ カビサ)のように言います。
◆Ninafurahi kukutana nawe.(ニナフラヒ ククタナ ナウェ)
英語のNice to meet you.に相当します。Nimefurahi kukuona.(ニメフラヒ
ククオナ)と言う表現もあります。
◆Pole.(ポーレ)
英語のI’m sorry.に相当します。もっと丁寧に言いたい場合は、sana(サナ)を付けて、Pole sana.(ポーレ サナ)と言います。
これに対し、No problem.と言いたい場合は、Hakuna
matata.(ハクナ マタタ)と言います。
◆Hebu, samahani.(エブ, サマハーニ)
英語のExcuse me.に相当します。
◆Ndiyo.(ンディヨ) / Hapana.(ハパナ)
英語のYes.とNo.に相当します。
◆Wewe unafanya nini?(ウェウェ ウナファニャ ニニ)
英語のWhat are you doing?に相当します。ここではスワヒリ語の動詞文の基本形についてご紹介します。
まず、上記の文章では、wewe(ウェウェ)はyou、unafanya(ウナファニャ)のu(ウ)はyouの主語接辞、na(ナ)は現在を表す時制接辞、fanya(ファニャ)はdoに相当します。このように、スワヒリ語では動詞の部分に主語をもう一度繰り返すような形で主語接辞がくっつき、更にその文章の時制を表す時制接辞が付くと言うところが他の言語にはない構造です。そして、ninii(ニニ)はwhatに相当します。
これに対し、I am waiting for daladala.と言いたい場合は、Mimi ninangoja daladala.(ミミ ニナンゴジャ ダラダラ)となります。mimi(ミミ)はI、ninangoja(ニナンゴジャ)のni(ニ)はIの主語接辞、na(ナ)は現在を表す時制接辞、ngoja(ンゴジャ)はwaitに相当します。そして、daladala(ダラダラ)とは乗り合いバスのことを指します。
◆Ninataka kwenda Ubungo.(ニナタカ クェンダ ウブンゴ)
英語のI want to go to Ubungo.に相当します。
ninataka(ニナタカ)のni(ニ)は主語であるIに対する主語接辞、na(ナ)は現在を表す時制接辞、taka(タカ)はwant toに相当する動詞語幹、そしてkwenda(クェンダ)のkw(ク)が本来はku(ク)と言うその単語が不定詞になることを表す不定詞接辞であり、その後ろにgoに相当するenda(エンダ)と言う動詞語幹がくっつき、want to goに相当する不定詞形の表現になります。
◆Mimi ninaitwa Hassan.(ミミ ニナイトワ ハッサン)
英語のMy name is Hassan.に相当します。
「〜と言う名前です」や「〜と言います」と言いたい場合は、動詞-itwa(イトワ=call)」を使います。ninaitwa(ニナイトワ)のni(ニ)はIに対する人称主語接辞、na(ナ)は現在を表す時制接辞に相当します。
ここで人称主語接辞をご紹介しておきましょう。ni(ニ)=I、u(ウ)=you単数形、a(ア)=heまたはshe、tu(トゥ)=we、m(ム)=you複数形、wa(ワ)=they。
例えば、Your name is Shun.をスワヒリ語でUnaitwa
Shun.(ウナイトワ シュン)、His name is Shun.はスワヒリ語でAnaitwa Shun.(アナイトワ シュン)のようになります。
逆にWhat’s your name?と聞きたい場合は、Unaitwa nani?(ウナイトワ ナニ)と尋ねます。英語ではwhat、日本語でも「何」となりますが、スワヒリ語でnani(ナニ)はwhoに相当するのです。ここが注意が必要です。因みにスワヒリ語でwhatはnini(ニニ)です。
◆Anatoka wapi?(アナトカ ワピ)
英語のWhere is she from?に相当します。
「〜の出身です」と言いたい場合は、動詞-toka(トカ=leave)を使います。答え方として、She is from Kenya.と言いたい場合は、Anatoka Kenya.(アナトカ
ケニャ)となります。
I am from Japan.と言いたい場合は、anatoka(アナトカ)のa(ア)をni(ニ)に変えて、Ninatoka
Japani.(ニナトカ ジャパニ)とします。
◆Mimi ni Mtanzania.(ミミ ニ ムタンザニア)
英語のI am Tanzanian.に相当します。「A=B」の文章では、主語と補語の間に繋ぎ言葉(繋辞)のni(ニ)を使います。
I am Japanese.であれば、Mimi ni Mjapani.(ミミ
ニ ムジャパニ)と言います。また、この表現は国籍だけではなく、その人の職業や身分を表す時にも使用出来ます。例えば、She is
a teacher.と言いたい場合は、Yeye ni mwalimu.(イェイェ ニ ムワリム)のようになります。
反対に、I am not Tanzanian.と文章を否定したい時は、ni(ニ)の代わりにsi(スィ)を使います。つまり、I am not Tanzanian.はMimi si Mtanzania.(ミミ スィ ムタンザニア)となるわけです。
なお、この文章は「AはBか?」と言う疑問文でも語順は変わりません。ただし、文末のイントネーションが上がります。
ではここで、人称代名詞をご紹介しておきましょう。mimi(ミミ)=I、wewe(ウェウェ)=you単数形、yeye(イェイェ)=heまたはshe、sisi(スィスィ)=we、nyinyi(ニニ)=you複数形、wao(ワオ)=they。
◆Uko wapi sasa?(ウコ ワピ ササ)
英語のWhere are you now?に相当します。uko(ウコ)のu(ウ)はyouに対する人称主語接辞、wapi(ワピ)はwhere、sasa(ササ)はnowに相当します。
ここでのポイントはuko(ウコ)のko(コ)です。「誰かがどこかにいる、いない」や「何かがどこかにある、ない」と言う表現は、主語接辞(肯定形、否定形いずれも)に存在辞と呼ばれる-po(ポ)、-ko(コ)、-mo(モ)のいずれかがくっ付きます。-po(ポ)は話し手からも聞き手からも近くてはっきり分かっている場所を表す際に使われます。-ko(コ)は話し手からも聞き手からも遠くてはっきり分からない場所を表す際に使われます。そして、-mo(モ)は何かの中にあるものを表します。
◆Nina simu ya mkononi.(ニナ スィム ヤ ムコノニ)
英語のI have a mobile phone.に相当します。ni(ニ)はIに対する人称主語接辞、simu ya mkononi(スィム ヤ ムコノニ)はa mobile phoneに相当します。
ここでのポイントはnina(ニナ)のna(ナ)です。「〜を持っている、持っていない」と言う表現は、主語接辞に-na(ナ)を付けます。ただし、この形で表わせるのは、「現在の事実」や「現在の状況・状態」のみなので注意が必要です。
これを使うと、Una nini?(ウナ ニニ)と言うWhat
happened?に相当する表現を作ることが出来ます。u(ウ)はyouに対する人称主語接辞、nini(ニニ)はwhatに相当し、直訳するとWhat
do you have?に相当します。