Russian Vol.3

(参考文献:2001年度NHKラジオ「ロシア語講座5月号」)

 

◆はじめに

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Вы говори́те по-ру́сски?(ヴィ ガヴァリエティ パルースキー)

 これで英語のCan you speak Russian?に相当します。говорите(ガヴァリエティ)はговорить(ガヴァリーチ=speak)の2人称複数形で、丁寧にyouと言いたい時にも使います。

 ここでのポイントはпо-ру́сски(パルースキー)です。русски(ルースキー)でRussianを指すのですが、по- と言う接頭辞が付くことによって「ロシア語で」と言う副詞になります。говори́ть(ガヴァリーチ)、читáть(チターチ=read)、понимáть(パニマーチ=understand)などの動詞と一緒に使う場合には、по- と言う接頭辞が付いた形で表されます。Do you read Russian?と言いたい場合は、Вы читáете по-ру́сски?(ヴィ チターエテ パルースキー)と言います。

 形容詞と名詞からなる「〜語」は、それ単独で使う場合は、знать(ズナーチ=know)、изучáть(イズチャーチ=study)、понимáть(パニマーチ=understand)と言った動詞と共に用いられます。Do you know English?をロシア語ではЭнаете англи́йский язы́к?(ズナエーテ アングリースキー イェズィーク)と言います。

 

Мóжно здесь кури́ть?(モジュノ ズィディエスィ クリーチ)

 これで英語のCan I smoke here?に相当します。мóжно(モジュノ)はcanmayздесь(ズィディエスィ)はhereкури́ть(クリーチ)はsmokeに相当します。

 この文章では主語が存在しません。ロシア語ではこう言った主語のない文章を無人称文と言います。英語で言うところのIt is possible to .と似ている構文です。ただ、ロシア語にはitにあたるものがありません。これらの述語は動詞の不定形を用い、人称変化させなくてもいいので非常に使いやすい文型です。この文型を使う他の動詞としては、нýжно(ヌージュナ=need)、нельзя́(ニリズャー=must not)があります。

 他の例として、Can I speak in Japanese?と言いたい場合は、Мóжно говори́ть по-япóнски?(モジュノ ガヴァリーチ パイポンスキー)と言います。

 

Óчень прия́тно.(オーチン プリヤートナ)

 英語Nice to meet you.に相当します。他にもう少し丁寧に、Óчень прия́тно с вáми́ познакóмиться.(オーチン プリヤートナ ヴァーミー パズナコミッツァ)と言う言い方もあります。

 

Что вы дéлаете?(シトー ヴィ デーラエーテ)

 これで英語What are you doing?に相当します。дéлаете(デーラエーテ)はдéлать(デーラチ)の2人称複数形で、丁寧にyouと言いたい時にも使います。これに対して、I'm watching an Russian movie.言いたい場合は、Я смотрю́ рýсский фильм.(ヤ スモートルィウ ルースキー  フィルム)と言います。смотрю́(スモートルィウ)はwatchの1人称単数形です。

 

Где рабóтает Ни́на?(グジェ ラボタエト ニーナ)

 英語のWhere does Nina work?に相当します。рабóтает(ラボタエト)はработать(タボターチ=work)の3人称単数形です。

 ここでのポイントは主語の位置です。ロシア語では疑問文の場合、このように主語が述語より後ろに置かれることがよくあります。ただし、主語が代名詞だったら主語は動詞の前に来ます。例えばWhere does he work?と言いたい場合は、Где он рабóтает?(グジェ オン ラボタエト)となり、он(オン=he)が動詞の前に来ています。

 他にも、Where does he live?と言いたい場合はГде он живёт?(グジェ オン ジヴィオート)と言います。живёт(ジヴィオート)はжить(ジーチ=live)の3人称単数形です。

 

Вчерá я был в пáрке.(ヴチラー ヤー ビル ヴ パルケ)

 これで英語のI went to the park yesterday.に相当します。вчерá(ヴチラー)がyesterdayбыл(ビル)がбыть(ビーチ=go)の過去男性形、в(フ)がinに相当します。

 ここでのポイントは2つあります。1つは、ロシア語の過去形の動詞の形は現在時制では人称(1人称単数・複数、2人称単数・複数、3人称単数・複数)に応じて変化したのが、過去時制では性と数(男性・女性・中性・複数)で変化すると言うことです。そのため、文中に必ず主語が明記されます。

 それからもう1つはбыть(ビーチ)の使い方です。日本語で「〜に行った」と言うところを、ロシア語ではよくбыть(ビーチ)の過去形を用いて表します。Я былá в пáрке.(ヤー ビラー ヴ パルケ)と言う文は本来、I was in the park.と言うことですが、I went to the park.I came to the park.と言う意味でも使われます。былá(ビラー)はбыть(ビーチ)の過去女性形なので、ここでのIは女性であることが分かります。つまりбыть(ビーチ)の過去形+場所を表す語句で「〜に行った」と言う内容が表されるわけです。例えば、I went to Moscow.と言いたい場合は、Я былá в Москвé.(ヤー ビラー ヴ モスクベー)と言います。

 

Зáвтра я бýду дóма.(ザフトラ ヤー ブドゥ ドーマ)

 英語I will be at home tomorrow.に相当します。зáвтра(ザフトラ)tomorrowに相当します。

 ここでのポイントも前述と同じくбыть(ビーチ)の使い方です。бýду(ブドゥ)は英語のbeに相当し、その1人称未来形です。また、быть(ビーチ)+場所を表す副詞でwill go toと訳すことも出来ます。例えば、I will go to the library tomorrow.と言いたい場合は、Зáвтра я бýду в библиотéке.(ザフトラ ヤー ブドゥ ヴァ ビブリアチェーケ)と言います。библиотéке(ビブリアチェーケ)はlibraryに相当します。

 またбыть(ビーチ)の未来形に動詞の不定形を添えたものを合成未来と言い、その動詞の未来時制が表されます。英語willあたる部分がロシア語では人称変化すると思えばわかりやすいでしょう。I will read a book.言いたい場合は、Я бýду читáть кни́ги.(ヤ ブドゥ チターチ クニーガ)と言います。

 このбыть(ビーチ)は英語のbe動詞のように「〜である、」と言う意味を表すこともあります。現在時制ではこれにあたる部分がないのが普通です。でも、過去時制と未来時制ではそれぞれбыть(ビーチ)の過去形、未来形を添えなければなりません。

 

У вас есть брат?(ウ ヴァス イェスチ ブラット)

 これで英語のDo you have a brothers?に相当します。у(ウ)はwithвас(ヴァス)はвы(ヴィ=you)の生格、есть(イェスチ)は「ある、いる、存在する」を意味するбыть(ビーチ)の現在形、брат(ブラット)brotherを表します。因みにsisterはロシア語ではсестра(スィストラ)と言います。答え方として、Yes, I have a brother.と言う場合には、Да, у меня́ есть брат.ダ, ウ ミーニャ イェスチ ブラット)と言います。逆に、No, I don't have any brothers.と言いたい場合は、Нет, у меня́ нет брата.(ニェト, ウ ミーニャ ニェト ブラータ)と言います。брата(ブラータ)はбрат(ブラット)の生格形です。

 ここでのポイントもбыть(ビーチ)です。「〜には〜がある」と言う表現は、前置詞у(ウ)の後ろに所有者を現す語の生格(「〜には」に相当)を続けます。持ち物が主語で主格、述語はесть(イェスチ)です。主語に男性、女性、中性、複数のいずれが来てもこの形です。逆に、「〜には〜がない」と言う表現は、述語がнет(ニェト)になり、持っていないものが生格になります。

 「〜がある、持っている」と言う表現は、ロシア語ではбыть(ビーチ)を使います。ロシア語にも英語のhaveに相当する「持つ」と言う意味の動詞имéть(イメーチ)がありますがhaveよりずっと狭く限定的にしか用いられません。

 

Я идý в университéт.(ヤー イドゥ ヴ ウニヴェルスィテット)

 英語のI'm walking to university.に相当します。идý(イドゥ)はидти́(イドゥチ=walk)の1人称単数形、университéт(ウニヴェルスィテット)はuniversityに相当します。

 идти́(イドゥチ=walk)やéхать(イェハーチ=ride)、нести́(ネスチ=carry)など、ある一定の方向に進行中の運動を表す動詞を定動詞と言います。I'm riding to the museum.と言いたい場合は、Я éду в музéй.(ヤー エドゥ ヴ ムゼイ)と言います。éду(エドゥ)はéхать(イェハーチ)の1人称単数形、музéй(ムゼイ)はmuseum表します。電車でも飛行機でも馬でもいいのですが、とにかく乗り物に乗っている点だけがидти́(イドゥチ=walk)とは違います。