Portuguese Vol.3

(参考文献:白水社「ポルトガルのポルトガル語」)

 

Tu és japonês.(トゥ エス ジャポネス)

 英語のYou are Japanese.に相当します。

 ここでのポイントはés(エス)です。これは動詞ser(セール=be)の2人称単数形で、ポルトガルのポルトガル語で使われる活用形です。

 VOL.2でも紹介しましたが、ポルトガルのポルトガル語では2人称の代名詞にtu(トゥ)とvocê(ヴォセー)があります。話し手にとって親しい関係の相手に対してはtu(トゥ)を使い、一方、それほど親しい関係にない相手や他人に対してはvocê(ヴォセー)を用います。

 この動詞ser(セール)は英語のbe動詞と同じなので、上記例文のように国籍を述べる時に使ったり、変わらない事実や出身地などを述べる時に使います。

 例えば、Tu és bonita.(トゥ エス ボニータ)と言えば、You are beautiful.に相当し、Tu és de Tóquio?(トゥ エス ドゥ トーキオ)と言うと、Are you from Tokyo?に相当します。

 ではここで、動詞ser(セール)の活用を人称代名詞と一緒に見てみましょう。

 eu sou(エウ ソウ=I am)、tu és(トゥ エス=親しいyou are)、ele, ela, você é(エレ, エラ, ヴォセー エ=he, she is, 敬称のyou are)。

 nós somos(ノス ソモス=we are)、vocês, eles, elas são(ヴォセース, エレス, エラス サォン=複数のyou are, they are)。

 

Agora tu estás em casa.(アゴーラ トゥ エスタス エン カーザ)

 英語のYou are at home now.に相当します。agora(アゴーラ)がnowcasa(カーザ)がhomeに相当します。

 ここでのポイントはestás(エスタス)です。これは動詞estar(エスタール=be)の2人称単数形です。

 ポルトガル語には英語のbe動詞にあたるものが前述のser(セール)とこのestar(エスタール)とがあります。estar(エスタール)は主に人や物の一時的な状態や状況を表します。

 まず、動詞estar(エスタール)の活用形を見てみましょう。

 eu estou(エウ エストウ=I am)、tu estás(トゥ エスタス=you are)、ele, ela, você está(エリ, エラ, ヴォセー エスター=he, she is, 敬称のyou are)。

 nos estamos(ノス エスタモス=we are)、eles, elas, vocês estão(エリス, エラス, ヴォセス エスタォン=they, 複数のyou are)。

 この動詞estar(エスタール)は上記例文のように人や物の位置を表します。他にも、主語を示す人の体や心の状況、および物の状態を表します。例えば、Eu estou cansado.(エウ エストウ カンサード)と言うと、I am tired.に相当します。他にも、A sopa está muito quente.(ア ソーパ エスター ムイントゥ ケントゥ)と言うと、The soup is very hot.に相当します。sopa(ソーパ)はsoupquente(ケントゥ)はhotに相当します。

 更に、Eu estou com fome.(エウ エストウ コン フォーム)でI am hungry.Eu estou com sede.(エウ エストウ コン セードゥ)でI am thirsty.と言うことが出来ます。

 他にも、動詞estar(エスタール)を使うと天気や天候を表すことが出来ます。この場合、動詞estar(エスタール)の活用形は常に3人称単数形になります。例えば、Hoje está nublado.(オージ エスター ヌブラード)と言うとIt is cloudy today.に相当します。

 そして、現在進行形を作る時も、動詞estar(エスタール)を使用します。これがブラジルのポルトガル語とポルトガルのポルトガル語とで違う表現をします。ブラジルのポルトガル語では動詞estar(エスタール)の後に動詞の現在分詞形を続けますが、ポルトガルのポルトガル語では動詞estar(エスタール)の後に前置詞a(ア)と動詞の原形(不定詞)を続けます。例えば、Eu estou a estudar português.(エウ エストウ ア エストゥダール ポルトゥゲス)と言うと、I am studying Portuguese.に相当します。

 

Ela mora em Lisboa.(エラ モラ エン リスボア)

 英語のShe lives in Lisbon.に相当します。

 ここでのポイントはmora(モラ)です。これは動詞morar(モラール=live)の2人称敬称単数形および3人称単数形です。

 直説法現在規則動詞の活用形には3つのパターンがあります。morar(モラール)のように語尾が-arで終わる動詞(これをar動詞と言います)は、-o, -as, -a, -amos, -amのように活用します。動詞morar(モラール)に当てはめて見てみましょう。

 eu moro(エウ モロ=I livetu moras(トゥ モラス=you live)、ele, ela, você mora(エレ, エラ, ヴォセー モラ=he, she, 敬称のyou live)。nós moramos(ノス モラモス=we live)、eles, elas, vocês moram(エレス, エラス, ヴォセース モラム=they, 複数のyou live)。

 他のar動詞の例としては、Tu falas português.(トゥ ファラス ポルトゥゲス)と言うと、You speak Portuguese.に相当します。falas(ファラス)は動詞falar(ファラール=speak)の2人称単数形です。

 ar動詞でよく使われる日常表現として、gostar(ゴスタール=like)があります。gostar de(ゴスタール ドゥ)の後に名詞や不定詞を続けます。例えば、Eu gosto muito de Portugal.(エウ ゴスト ムイント ドゥ ポルトゥガル)と言うと、I like Portugal very much.に相当し、Ela gosta de cozinhar.(エラ ゴスタ ドゥ コズィニャール)と言うと、She likes to cook.に相当します。

 

Ele bebe leite todos os dias.(エレ ベベ レイトゥ トードス オス ディアス)

 英語のHe drinks milk every day.に相当します。leite(レイトゥ)がmilktodos os dias(トードス オス ディアス)がevery dayに相当します。

 ここでのポイントはbebe(ベベ)です。これは動詞beber(ベベール=drink)の2人称敬称単数形および3人称単数形です。

 beber(ベベール)のように語尾が-erで終わる動詞(これをer動詞と言います)は、-o, -es, -e, -emos, -emのように活用します。動詞beber(ベベール)に当てはめて見てみましょう。

 eu bebe(エウ ベベ=I drink)、tu bebes(トゥ ベベス=you drink)、ele, ela, você bebe(エレ, エラ, ヴォセー ベベ=he, she, 敬称のyou drink)。nós bebemos(ノス ベベモス=we drink)、eles, elas, vocês bebem(エレス, エラス, ヴォセース ベベム=they, 複数のyou drink)。

 他のer動詞の例としては、Eu aprendo inglês na escola.(エウ アプレンド イングレス ナ エスコラ)と言うと、I learn English at school.に相当します。aprendo(アプレンド)は動詞aprender(アプレンデール=learn)の1人称単数形です。escola(エスコラ)がschoolに相当します。

 

Nós abrimos as janelas.(ノス アブリモス アス ジャネラス)

 英語のWe open the windows.に相当します。janelas(ジャネラス)がjanela(ジャネラ)の複数形でwindowに相当します。

 ここでのポイントはabrimos(アブリモス)です。これは動詞abrir(アブリール=open)の1人称複数形です。

 abrir(アブリール)のように語尾が-irで終わる動詞(これをir動詞と言います)は、-o, -es, -e, -imos, -emのように活用します。動詞abrir(ベベール)に当てはめて見てみましょう。

 eu abro(エウ アブロ=I open)、tu abres(トゥ アブレス=you open)、ele, ela, você abre(エレ, エラ, ヴォセー アブレ=he, she, 敬称のyou open)。nós abrimos(ノス アブリモス=we open)、eles, elas, vocês abrem(エレス, エラス, ヴォセース アブレム=they, 複数のyou open)。

 他のir動詞の例としては、Ela divide o bolo em cinco fatias.(エラ ディヴィドゥ オ ボーロ エン スィンコ ファティアス)と言うと、She divides the cake into five pieces.に相当します。divide(ディヴィドゥ)は動詞dividir(ディヴィディール=divide)の3人称単数、敬称の2人称単数形です。bolo(ボーロ)はcakefatia(ファティア)はpieceに相当します。

 

O meu pai e a minha irmã mais velha gostam de música clásaica.(オ メウ パイ エ ア ミーニャ イルマン マイス ヴェーリャ ゴスタム ドゥ ムーズィカ クラースィカ)

 英語のMy father and my elder sister like classic music.に相当します。pai(パイ)がfatherirmã mais velha(イルマン マイス ヴェーリャ)がelder sistermúsica clássica(ムーズィカ クラースィカ)がclassic musicに相当します。

 ここでのポイントはmeu(メウ)とminha(ミーニャ)です。いずれも英語のmyに相当しますが、男性名詞に付く場合はmeu(メウ)、女性名詞に付く場合はminha(ミーニャ)と形を変えることに注意が必要です。更に、後ろに続く名詞が単数形か、複数形かによっても形が変わります。

 それではここで、ポルトガル語での所有詞を見てみましょう。

 meu(メウ=男性形のmy)、meus(メウス=my、後に続く名詞が男性複数形)、minha(ミーニャ=女性形のmy)、minhas(ミーニャス=my、後に続く名詞が女性複数形)。

 teu(テウ=男性形のyour)、teus(テウス=your、後に続く名詞が男性複数形)、tua(トゥア=女性形のyour)、tuas(トゥアス=your、後に続く名詞が女性複数形)。

 seu(セウ=敬称形の男性形のyour)、seus(セウス=敬称形のyour、後に続く名詞が男性複数形)、sua(スア=敬称形の女性形のyour)、suas(スアス=敬称形のyour、後に続く名詞が女性複数形)。

 nosso(ノッソ=男性形のour)、nossos(ノッソス=our、後に続く名詞が男性複数形)、nossa(ノッサ=女性形のour)、nossas(ノッサス=後に続く名詞が女性複数形)。

 vosso(ヴォッソ=男性形の複数形のyour)、vossos(ヴォッソス=複数形のyour、後に続く名詞が男性複数形)、vossa(ヴォッサ=女性形の複数形のyour)、vossas(ヴォッサス=複数形のyour、後に続く名詞が女性複数形)。

 なお、英語のhisherstheirsに相当する単語はなく、de ele(ドゥ エレ)でhisde ela(ドゥ エラ)でhersde eles, elas(ドゥ エレス, エラス)でtheirsに相当します。

 

Este relógio é japonês.(エストゥ ヘロージオ エ ジャホネス)

 英語のThis watch is Japanese.に相当します。厳密に言えば、This watch is made in Japan.になります。relógio(ヘロージオ)がwatchに相当します。

 ここでのポイントはeste(エストゥ)です。英語のthisに相当し、自分に近いものを指す時に使います。

 この指示詞にも性数変化があります。上記este(エストゥ)は複数形になるとestes(エステス=these)となります。例えば、Estes relógios são japoneses.(エステス ヘロージオス サォン ジャポネセス)と言うと、These watches are made in Japan.に相当します。また、女性名詞の指示詞は単数形がesta(エスタ)、複数形がestas(エスタス)となります。

 次に、相手に近い英語のthatに相当する指示詞についてです。男性単数形はesse(エッセ)、男性複数形はesses(エッセス)と言います。女性単数形はessa(エッサ)、女性複数形はessas(エッサス)と言います。

 更に、自分からも相手からも遠い英語のthatに相当する指示詞が存在します。男性単数形はaquele(アケーレ)、男性複数形はaqueles(アケーレス)と言います。女性単数形はaquela(アケーラ)、女性複数形はaquelas(アケーラス)と言います。

 

O que é isto?(オ ケ エ イスト)

 英語のWhat is this?に相当します。que(ケ)がwhatに相当します。

 ここでのポイントはisto(イスト)です。何か分からないものを指して「これ(それ、あれ)は何ですか?」と効く場合、性数変化のない指示詞を使います。isto(イスト)がthisに相当し、isso(イッソ)が相手に近いthataquilo(アキーロ)が両方から遠いthatを指し示すのに使います。

 答える時は答えを示す名詞に不定冠詞を付けます。例えば、上記例文に対して、Isso é um carro.(イッソ エ ウン カーホ)と言うと、That is a car.に相当します。