Luxembourgish Vol.3

(参考文献:白水社「ニューエクスプレス・スペシャル ヨーロッパのおもしろ言語」)

 

◆Moien.(モイエン)

 英語のHello.に相当します。元来、「朝」と言う意味ですが、時間に関係なく使うことが出来ます。これに対し、Bonjour.(ボンジュール)と言うと、昼間だけに使われます。見ての通り、フランス語からの借用語です。

 

◆Merci.(メルスィ)

 英語のThank you.に相当します。これもフランス語からの借用語です。これに対し、Thank you very much.と言いたい場合は、Villmools merci.(フィルモールス メルスィ)と言います。villmools(フィルモールス)がmany timesに相当します。

 また、Gär geschitt.(ゲーア ゲシット)と言うと、You're welcome.に相当します。

 

◆Äddi.(エディ)

 英語のGood bye.に相当します。Awar.(アヴァール)とも言います。

 

◆Entschëlligt.(エントシェリシト)

 英語のI'm sorry.に相当します。また、Excuse me.の意味合いとしても使うことが出来ます。

 

◆Ech si Student.(エシ ズィ シュトゥデント)

 英語のI am a student.に相当します。Student(シュトゥデント)は文字通りstudentに相当しますが、ルクセンブルク語でもドイツ語と同じように名詞の頭文字は大文字で表されます。

 ここでのポイントはech si(エシ ズィ)です。英語のI amに相当します。ここではルクセンブルク語の人称代名詞と一緒に動詞sinn(ズィン=be)の活用を見てみましょう。

 ech sinn(エシ ズィン=I am)、du bass(ドゥ バス=単数形のyou are)、hien, si ass(ヒエ, ズィ アス=he, she is)。

 mir sinn(ミア ズィン=we are)、dir sidd(ディア ズィット=複数のyou are)、Dir sidd(ディア ズィット=敬称形のyou are)、si sinn(ズィ ズィン=they are)。

 動詞sinn(ズィン)は上記のように不規則な変化をします。また、ech sinn(エシ ズィン)はech si(エシ ズィ)と言うことも可能です。

 

◆Sidd Dir Lëtzebuergerin?(ズィット ディア レッツェブアイェリン)

 英語のAre you Luxembourgish?に相当します。

 ここでのポイントはLëtzebuergerin(レッツェブアイェリン)です。

 ルクセンブルク語の名詞は、ドイツ語と同じく男性形、女性形、中性形とに分かれます。人を表す名詞は男性形と女性形があり、上記のLëtzebuergerin(レッツェブアイェリン)は女性形になります。男性形はLëtzebuerger(レッツェブアヤー)と言います。

 ではここで、人を表す名詞の主なものを見てみましょう。

 Japaner(ジャパーナー=男性のJapanese)、Japanerin(ジャパーネリン=女性のJapanese)。

 Student(シュトゥデント=男性のstudent)、Studentin(シュトゥデンティン=女性のstudent)。

 Dokter(ドクター=男性のdoctor)、Doktesch(ドクテシュ=女性のdoctor)。

 

◆Ech studéiere Lëtzebuergesch Literatur.(エシ シュトゥデイエレ レッツェブアイェシ リテラトゥーア)

 英語のI study Luxembourgish literature.に相当します。Literatur(リテラトゥーア)がliteratureに相当します。

 ここでのポイントはstudéiere(シュトゥデイエレ)です。これは動詞studéieren(シュトゥデイエレン)の1人称単数形です。ルクセンブルク語の動詞は他のヨーロッパの言語と同じように人称と数によって語尾が変化します。

 では動詞studéieren(シュトゥデイエレン)の活用形を見てみましょう。

 studéiere(シュトゥデイエレ=I study)、studéieres(シュトゥデイエレス=you study)、studéiert(シュトゥデイエルト=he, she studies)。

 studéieren(シュトゥデイエレン=we study)、studéiert(シュトゥデイエルト=敬称形、複数のyou)、studiéren(シュトゥディエレン=they study)。

 なお、動詞studéieren(シュトゥデイエレン)と同じ活用をする他の動詞としてはheeschen(ヘーシェン=name)、wunnen(ヴネン=live)などがあります。

 

Ech kommen aus Japan.(エシ コメン アウス ジャパーン)

 英語のI come from Japan.に相当します。aus(アウス)がfromに相当します。

 ここでのポイントはkommen(コメン)です。これは動詞kommen(コメン=come)の1人称単数形です。

 ではここで、動詞kommen(コメン)の活用を見てみましょう。

 kommen(コメン=I come)、kënns(ケンス=you come)、kënnt(ケント=he, she comes)。

 kommen(コメン=we come)、kommt(コムト=敬称形、複数のyou come)、kommen(コメン=they come)。

 前述の動詞studéieren(シュトゥデイエレン)の時とは違い、2人称と3人称の単数形の活用が異なっています。ルクセンブルク語の動詞の中にはこのようなタイプの動詞もいくつかあるので注意が必要です。

 

◆Hues de schonns e Computer?(フエス デ ションス エ コンピューター)

 英語のDo you have a computer yet?に相当します。de(デ)は人称代名詞du(ドゥ)の弱形、schonns(ションス)はyetやalready、e(エ)は不定冠詞aに相当します。

 ここでのポイントはhues(フエス)です。これは動詞hunn(フン=have)の2人称単数形です。この動詞hunn(フン)はやや不規則な現在形人称変化をします。ではここで動詞hunn(フン)の活用を見てみましょう。

 hunn(フン=I have)、hues(フエス=you have)、huet(フエト=he, she has)。

 hunn(フン=we have)、hutt(フット=敬称形、複数のyou)、hunn(フン=they have)。

 ちなみに、上記例文に対して、Jo.(ヨー)と言うとYes.、Nee.(ネエ)と言うとNo.に相当します。

 

◆Ech brauche eng Television.(エシ ブラウヘ エン テレヴィジオウン)

 英語のI need a TV.に相当します。brauche(ブラウヘ)は動詞brauchen(ブラウヘン=need)の1人称単数形です。

 ここでのポイントはeng(エン)です。英語の不定冠詞aやanに相当します。ルクセンブルク語の不定冠詞や定冠詞は後ろの名詞、格によって変化します。ドイツ語と同じです。

 television(テレヴィジオウン)は女性名詞で、主格「〜は」と対格「〜を」の時にはeng(エン)、与格「〜に」の時にはenger(エンガー)となります。例えば、Aarbecht(アールベシト)はworkに相当し、eng Aarbecht(エン アールベシト)と言うと主格「仕事は」と対格「仕事を」に相当します。enger Aarbecht(エンガー アールベシト)と言うと与格「仕事に」に相当します。

 Auto(アウト)は男性名詞でcarに相当します。en Auto(エン アウト)と言うと主格「車は」と対格「車を」に相当します。engem Auto(エンゲム アウト)と言うと与格「車に」に相当します。

 それからHaus(ハウス)は中性名詞でhouseに相当します。en Haus(エン ハウス)と言うと主格「家は」と対格「家を」に相当します。engem Haus(エンゲム ハウス)と言うと与格「家に」に相当します。

 定冠詞になると、主格と対格は男性名詞にはden(デン)、女性名詞にはdéi(デイ)またはd’、中性名詞にはdat(ダット)またはd’が付きます。与格は男性名詞と中性名詞にはdem(デム)、女性名詞にはder(デア)が付きます。

 例として、Ech ginn dem Kand en Apel.(エシ ギン デム カント エン アーペル)と言うと、I give an apple to the child.に相当します。Kand(カント)がchildに相当する中性名詞で定冠詞(デム)が付き、Apel(アーペル)がappleに相当する男性名詞で不定冠詞en(エン)が付いています。

 

◆Ech sinn an hirem Cours.(エシ ズィン アン ヒーレム クーア)

 英語のI am in her class.に相当します。an(アン)はin、Cours(クーア)はclassやcourseに相当します。

 ここでのポイントはhirem(ヒーレム)です。これは英語のherに相当する所有冠詞です。誰のものであるかを表す所有冠詞には以下のようなものがあります。

 mãin(メーイン=my)、dãin(デーイン=your)、sãin(ゼーイン=his)、hiren(ヒーレン=her)。

 eisen(アイゼン=our)、ãren(エーレン=親称複数のyour)、Ären(エーレン=敬称形、複数形のyour)、hiren(ヒーレン=their)。

 上記は全て後に続く名詞が男性名詞で主格・対格形を修飾する時の形です。

 このうち、mãin(メーイン)、dãin(デーイン)、sãin(ゼーイン)は、次のような語尾変化をします。

 まず、mãin(メーイン)は、男性形と中性形は主格・対格形がmãin(メーイン)、与格形はmengem(メンゲム)となります。女性形は主格・対格形がmeng(メング)、与格形はmenger(メンガー)となります。

 次に、dãin(デーイン)は、男性形と中性形は主格・対格形がdãin(デーイン)、与格形はdengem(デンゲム)となります。女性形は主格・対格形がdeng(デング)、与格形はdenger(デンガー)となります。

 sãin(ゼーイン)は、男性形と中性形は主格・対格形がsãin(ゼーイン)、与格形はsengem(ゼンゲム)となります。女性形は主格・対格形がseng(ゼング)、与格形はsenger(ゼンガー)となります。

 これに対し、eisen(アイゼン)、ãren(エーレン)、hiren(ヒーレン)、Ären(エーレン)は、次のような語尾変化をします。

 まず、eisen(アイゼン)は、男性形は主格・対格形がeisen(アイゼン)、与格形はeisem(アイゼム)となります。女性形は主格・対格形がeis(アイス)、与格形はeiser(アイザー)となります。中性形は主格・対格形がeist(アイスト)、与格形がeisem(アイゼム)となります。

 次に、ãren(エーレン)とÄren(エーレン)は、男性形は主格・対格形がãren(エーレン)、与格形はãrem(エーレム)となります。女性形は主格・対格形がãr(エール)、与格形はãrer(エーラー)となります。中性形は主格・対格形がãert(エーエルト)、与格形がãrem(エーレム)となります。

 hiren(ヒーレン)は、男性形は主格・対格形がhiren(ヒーレン)、与格形はhirem(ヒーレム)となります。女性形は主格・対格形がhir(ヒール)、与格形はhirer(ヒーラー)となります。中性形は主格・対格形がhirem(ヒーレム)、与格形がhirem(ヒーレム)となります。