Latin American Spanish Vol.1

(参考文献:2016年度NHKラジオ「まいにちスペイン語」4月号)

 

はじめに

 ラテンアメリカでのスペイン語でもアルファベットの読み方はスペインのスペイン語と同じです。詳しくは、Spanish VOL.1をご覧下さい。

 

ラテンアメリカのスペイン語

 スペイン語は、スペインを含めて23の国と地域で用いられています。互いに理解し合える言葉ですが、それでもスペインのスペイン語とメキシコのスペイン語、チリのスペイン語と比べて行くと発音や単語、語法などに少しずつ興味深い違いがあり、そこから生まれる多様性は魅力に溢れています。

 ここでは様々なフレーズや単語を、スペインのスペイン語とラテンアメリカのスペイン語と比較しながらご紹介して行きます。

 

◆Un jugo de naranja, por favor.(ウン フーゴ デ ナランハ, ポル ファボール)

 英語のA glass of orange juice, please.に相当します。naranja(ナランハ)がorangeに相当します。

 ここでのポイントはjugo(フーゴ)です。ラテンアメリカ一般でjuiceに相当します。しかし、スペインのスペイン語では上記例文は、Un zumo de naranja, por favor.(ウン スーモ デ ナランハ, ポル ファボール)と言います。zumo(スーモ)がjuiceに相当します。スペインでは、jugo(フーゴ)は搾られる前の「果汁」、または「肉汁」と言う意味になります。

 

◆Un boleto a Xochimilco, por favor.(ウン ボレート ア ソチミルコ, ポル ファボール)

 英語のA ticket to Xochimilco, please.に相当します。Xochimilco(ソチミルコ)とはメキシコのメキシコ・シティーの南にある水路と屋形船で有名な観光地です。

 ここでのポイントはboleto(ボレート)です。ラテンアメリカ一般でticketに相当します。ちかし、スペインのスペイン語では上記例文は、Un billete a Xochimilco, por favor.(ウン ビジェテ ア ソチミルコ, ポル ファボール)と言います。billete(ビジェテ)がticketに相当します。

 

◆Una cobija, por favor.(ウナ コビーハ, ポル ファボール)

 英語のA blanket, please.に相当します。

 ここでのポイントはcobija(コビーハ)です。英語のblanketに相当しますが、この表現は主にメキシコで使われます。

 アルゼンチンやチリなどではblanketfrazada(フラサーダ)と言います。スペインではmanta(マンタ)と言います。因みに、ホテルで使うようなフォーマルな言い方はcobertor(コベルトール)と言います。

 

◆café solo(カフェ ソロ)

 日本でよく言うところのブラックコーヒーを指します。英語でもblack coffeeや単純にcoffeeと言います。

 スペイン語ではcafé(カフェ)と言うと、通常エスプレッソを指します。また、コロンビアではブラックコーヒーのことをun tinto(ウン ティント)と言いますが、このtinto(ティント)がまたややこしく、スペインやブラジルではun tinto(ウン ティント)と言うと赤ワインのことを指します。

 この他に、カフェオーレはcafé con leche(カフェ コン レーチェ)、カプチーノはcapuchino(カプチノ)と言います。

 

◆¿Hay una cafetería por acá?(アイ ウナ カフェテリーア ポル アカ)

 英語のIs there a cafe around here?に相当します。

 ここでのポイントはpor acá(ポル アカ)です。around hereに相当しますが、この表現は主にラテンアメリカ全域で使われます。スペインのスペイン語ではpor aquí(ポル アキ)と言い、上記例文は¿Hay una cafetería por aquí?(アイ ウナ カフェテリーア ポル アキ)と言います。

 他にも、¿Hay un banco por acá?(アイ ウナ バンコ ポル アカ)と言うと、Is there a bank around here?に相当します。

 更に、¿Hay una cantina por acá?(アイ ウナ カンティーナ ポル アカ)と言うと、Is there a restaurant around here?に相当します。cantina(カンティーナ)はレストランでも大衆食堂のようなイメージの飲食店です。スペインのスペイン語では大衆食堂のようなイメージの飲食店はbar(バール)と言います。また、レストランはスペイン語ではrestaurante(レスタウランテ)と言います。

 

◆¿Dónde está el baño?(ドンデ エスタ エル バーニョ)

 英語のWhere is the toilet?に相当します。baño(バーニョ)はtoiletに相当し、この表現は主にメキシコで使われます。また、メキシコではbaño(バーニョ)だけではなく、sanitario(サニタリオ)とも言います。スペインではservicio(セルビスィオ)と言います。

 ここでは旅行先で必ず出会う様々な施設や場所を表す言葉をご紹介します。

 subwayは、スペインやラテンアメリカ一般ではmetro(メトロ)と言いますが、アルゼンチンではsubte(スブテ)と言います。

 busは、スペインではautobús(アウトブス)、メキシコではcamión(カミオン)、キューバではguagua(グアグア)、チリ、ボリビアではmicro(ミクロ)、アルゼンチンではcolectivo(コレクティボ)、ウルグアイではómnibus(オムニブス)と言います。

 続いて指示詞です。hereに相当するのがスペインではaquí(アキー)と言うのに対し、ラテンアメリカの多くの国ではacá(アカー)、thereに相当するのがスペインではahí(アイー)と言うのに対し、ラテンアメリカの多くの国ではallá(アジャー)、そして、over thereに相当するのがスペインではallí(アジー)と言うのに対し、ラテンアメリカの多くの国ではallá(アジャー)と言います。

 

◆Para servirle.(パラ セルビルレ)

 英語のYou're welcome.に相当します。この表現は主にメキシコで使われます。

 スペインのスペイン語ではDe nada.(デ ナーダ)と言います。