Italian Vol.10

(参考文献:2017年度NHKラジオ「まいにちイタリア語」6月号)

 

Vi serve aiuto?(ヴィ セルヴェ アイウート)

 英語のShall I help you?に相当します。vi(ヴィ)はvoi(ヴォイ=複数形のyou)の目的格、aiuto(アイウート)はhelpに相当します。

 ここでのポイントはserve(セルヴェ)です。英語のneedに相当する動詞servire(セルヴィーレ)の3人称単数形です。この動詞servire(セルヴィーレ)の主語はaiuto(アイウート)であり、「〜が必要」と言うように、必要となるものが主語になり、その数によって単数形serve(セルヴェ)か、複数形servono(セルヴォノ)か変わります。英語ではShall I help you?と訳しましたが、厳密にはDo you need a help?となります。

 同じように、Le servono informzioni?(レ セルヴォノ インフォルマッツィオーニ)と言うと、Do you need some information?に相当します。le(レ)はLei(敬称形のyou)の目的格です。informazioni(インフォルマッツィオーニ)と言う複数形になっているので、動詞servire(セルヴィーレ)は3人称複数形のservono(セルヴォノ)となります。

 

Che cosa posso fare per Lei?(ケ コザ ポッソ ファーレ ペル レイ)

 英語のWhat can I do for you?に相当します。fare(ファーレ)は動詞fare(ファーレ=do)の不定形です。

 ここでのポイントは目的語代名詞の強勢形です。上記例文ではLei(レイ)がそれにあたります。一見、主格の人称代名詞のように見えますが、代名詞によっては強勢形が全く変わります。

 では、目的語代名詞の強勢形を見てみましょう。

 me(メ=me)、te(テ=親称形you)、lui(ルイ=him)、lei(レイ=her)、Lei(レイ=敬称形you)。noi(ノイ=us)、voi(ヴォイ=複数形のyou)、loro(ロロ=them)。

 前置詞per(ペル=for)、a(ア=to, at)、con(コン=with)などの後に置かれる場合、目的語代名詞の強勢形を用います。例えば、Che cosa posso fare per lui?(ケ コザ ファーレ ペル ルイ)と言うと、What can I do for him?に相当します。

 

Come La posso aiutare?(コメ ラ ポッソ アイウターレ)

 英語のHow can I help you?に相当します。aiutare(アイウターレ)は動詞aiutare(アイウターレ=help)の不定形です。

 ここでのポイントはLa(ラ)です。英語の目的格代名詞youに相当します。イタリア語では直接目的語代名詞と言い、直接目的語代名詞は動詞の前に置かれます。このLa(ラ)は敬称形代名詞Lei(レイ)の直接目的語代名詞になります。

 まず、各人称代名詞の直接目的語代名詞を見てみましょう。

 mi(ミ=me)、ti(ティ=親称形you)、lo(ロ=him)、la(ラ=her)、La(ラ=敬称形you)。

 ci(チ=us)、vi(ヴィ=複数形ytou)、li(リ=them)、le(レ=them(女性名詞の複数形)。

 例えば、Come vi posso aiutare?(コメ ヴィ ポッソ アイウターレ)と言うと、How can I help you?と英語では同じ意味になりますが、vi(ヴィ)が複数形youの直接目的語代名詞なので、ここでは複数のyouに対して尋ねている表現であることが分かります。

 注意しなければならないことは、per(ペル=for)やa(ア=at, to)、con(コン=with)などの前置詞の後には強勢形と言うまた別の形を使わなければならないと言うことです。つまり、強勢形を使って言うと、例文はCome posso aiutare per Lei?(コメ ポッソ アイウターレ ペル レイ)となります。この辺りが英語と違う部分なので注意が必要です。

 

Come vi posso essere utile?(コメ ヴィ ポッソ エッセレ ウーティレ)

 英語のHow can I be useful for you?に相当します。utile(ウーティレ)はusefulに相当します。

 ここでのポイントはvi(ヴィ)です。英語の目的語代名詞複数形youに相当します。前述例文のvi(ヴィ)と形は同じなのですが、これは間接目的語代名詞と言います。前述例文の直接目的語は日本語では「〜を」と訳せるもの、間接目的語は日本語では「〜に」と訳せるものです。この間接目的語代名詞は直接目的語代名詞と同じように動詞の前に置かれます。このvi(ヴィ)は代名詞voi(ヴォイ=複数形のyou)の間接目的語代名詞になります。

 まず、各人称代名詞の間接目的語代名詞を見てみましょう。

 mi(ミ=me)、ti(ティ=親称形you)、gli(グリ=him)、le(レ=her)、Le(レ=敬称形you)。

 ci(チ=us)、vi(ヴィ=複数形ytou)、gli(グリ=them)、gli(グリ=them(女性名詞の複数形)。

 例えば、Come ti posso essere utile?(コメ ティ ポッソ エッセレ ウーティレ)と言うと、How can I be useful for you?と英語では同じ意味になりますが、ti(ティ)が親称形youの間接目的語代名詞なので、ここでは親しいyouに対して尋ねている表現であることが分かります。

 

Ci vuole solo un minuto a piedi.(チ ヴオーレ ソーロ ウン ミヌート ア ピエディ)

 英語のIt takes only a minute for a walk.に相当します。minuto(ミヌート)がminutea piedi(ア ピエディ)でa walkに相当します。

 ここでのポイントはci vuole(チ ヴオーレ)です。英語のtake, spendに相当し、「時間がかかる」に相当します。時間がかかることを伝えるにはvolerci(ボレールチ)を使います。この表現はお金や人手についても使うことが出来ます。

 その際、動詞volere(ヴォレーレ)の部分は3人称になります。かかる時間が単数なら上記例文のように言えばいいのですが、複数形ならci vogliono(チ ヴォッリョノ)となります。例えば、Dalla stazione ci vogliono 30 minuti.(ダッラ スタッツィオーネ チ ヴォッリョノ トレンタ ミヌーティ)と言うと、It takes 30 minutes from the station.に相当します。stazione(スタッツィオーネ)はstationに相当します。

 ちなみに、Quanto tempo ci vuole?(クアント テンポ チ ヴオーレ)と言うと、How long does it take?に相当します。

 また、移動手段の言い方として、a piedi(ア ピエディ)はfor a walkになりますが、in treno(イン トレノ)はby trainin autobus(イン アウトブス)はby busに相当します。

 

Glielo spiego di nuovo.(グリエロ スピエゴ ディ ヌオーヴォ)

 英語のI will show it to you again.に相当します。spiego(スピエゴ)は動詞spiegare(スピエガーレ=explain, show)の1人称単数形、di nuovo(ディ ヌオーヴォ)はagainに相当します。

 ここでのポイントはglielo(グリエロ)です。これは間接目的語代名詞Le(レ=敬称形you)と直接目的語lo(ロ=it)がくっ付いた形です。ここでは直接目的語と間接目的語をセットで使う場合の使い方をご紹介します。

 まず、並べる順番は常に「間接目的語+直接目的語」の順番です。日本語で言うところの「人に」「物を」の順番になります。

 次に、glielo(グリエロ)のglie(グリエ)の部分が間接目的語になるわけですが、前々述例文でご紹介した間接目的語代名詞の中にglie(グリエ)と言うのは存在していません。実は、これは間接目的語代名詞gli(グリ=him)と、Le(レ=敬称形you)に直接目的語代名詞lo(ロ)やla(ラ)、li(リ)、le(レ)がくっ付くと変化する特別な形です。glielo(グリエロ)、gliela(グリエラ)、glieli(グリエリ)、gliele(グリエレ)のように変化します。

 例えば、Mi spiega la strada?(ミ スピエガ ラ ストラーダ=Could you show me the way?)に対して、Gliela spiego.(グリエラ スピエゴ)と言うと

I will show it to you.に相当します。この場合、gliela(グリエラ)となっているのはla(ラ)に相当する直接目的語がla strada(ラ ストラーダ)と言う女性名詞であるからです。

 

Le puoi regalare qualcosa di tipico giapponese.(レ プオイ レガラーレ クアルコーザ ディ ティピコ ジャッポネーゼ)

 英語のYou can present her tipical Japanese thing.に相当します。regalare(レガラーレ)はpresenttipico(ティピコ)はtipicalに相当します。

 ここでのポイントはqualcosa(コアルコーザ)です。英語のsomethingに相当し、「何か」を表す時に使います。ここで注意したいのが、「〜な何か」と形容詞を付ける場合は、qualcosa di(クアルコーザ ディ)となると言うことです。上記例文ではqualcosa di tipico giapponese(クアルコーザ ディ ティピコ ジャッポネーゼ=Japanese tipical thing)となっています。他にも、qualcosa di buono(クアルコーサ ディ ブオーノ=something good)、qualcosa di speciale(クアルコーザ ディ スペチアーレ=something special)などと言うことが出来ます。

 また、qualcosa(クアルコーザ)の後ろに動詞の不定詞を付けて、「〜するための何か」と言うことも出来ます。この場合、qualcosa(クアルコーザ)の後ろにはda(ダ)を付け、その後に動詞の不定詞を続けます。例えば、qualcosa da mangiare(クアルコーザ ダ マンジャーレ)と言うと、something to eatに相当します。

 

Se vuoi, ti acompagno.(セ ヴオイ, ティ アッコンパンニョ)

 英語のIf you want, I will accompany with you.に相当します。accompagno(アッコンパンニョ)は動詞accompagnare(アッコンパンニャーレ)の1人称単数形です。

 ちなみに、動詞accompagnare(アッコンパンニャーレ)の活用は下記のようになります。

 accompagno(アッコンパンニョ=I accompany)、accompagni(アッコンパンニ=you accompany)、accompagna(アッコンパンニャ=he, she, 敬称形のyou accompany)。

 accompagniamo(アッコンパンニアーモ=we accompany)、accompagnate(アッコンパンニャーテ=複数形のyou accompany)、accompagnano(アッコンパンニャノ=they accompany)。

 ここでのポイントはse vuoi(セ ヴオイ)です。se(セ)はifvuoi(ヴオイ)は動詞volere(ヴォレーレ=want)の2人称単数形にあたり、if you wantに相当します。もし、主語がLei(レイ=敬称形のyou)だったら上記例文は、Se vuole, La accompagno.(セ ヴオーレ, ラ アッコンパンニョ)となります。また、複数形のvoi(ヴォイ)だったらSe volete, vi accompagno.(セ ヴォレーテ, ヴィ アッコンパンニョ)となります。

 

Che ne dici di un furin?(ケ ネ ディーチ ディ ウン フーリン)

 英語のHow about a furin?に相当します。furin(フーリン)は風鈴のことです。日本独特のものをイタリア語で言う場合、冠詞は基本的にはun(ウン)になります。ただし、yまたはs+子音で始まる単語の時はuno(ウノ)となります。例えば、shochu(ショウチュウ=焼酎)はuno shochu(ウノ ショウチュウ)となります。

 ここでのポイントはChe ne dici di(ケ ネ ディーチ ディ) 〜?と言う表現です。「〜はどうですか?」と何かを提案する時に使える表現です。dici(ディーチ)は動詞dire(ディーレ=say)の2人称単数形です。この動詞dire(ディーレ)は相手に合わせて活用を変えます。まず、動詞dire(ディーレ)の活用を見てみましょう。

 dico(ディーコ=I say)、dici(ディーチ=you say)、dice(ディーチェ=he, she, 敬称形のyou say)。

 diciamo(ディチャーモ=we say)、dite(ディーテ=複数形のyou say)、dicono(ディーコノ=they say)。

 もし、主語がLei(レイ=敬称形のyou)だったら、上記例文はChe ne dice di un furin?(ケ ネ ディーチェ ディ ウン フーリン)となります。

 また、di(ディ)の後ろに動詞の不定詞を置き、「〜するのはどうですか?」と言う何かを誘う表現を作ることも出来ます。例えば、Che ne dite di andare a fare spese?(ケ ネ ディーテ ディ アンダーレ ア ファーレ スペーゼ)と言うと、How about going shopping?に相当します。andare(アンダーレ)はgofare spesa(ファーレ スペーザ)でshoppingに相当します。spesa(スペーザ)がspese(スペーゼ)となっているのは動詞dire(ディーレ)の活用が2人称複数形になっており、相手が複数人いることが分かります。

 

Che coshai?(ケ コザイ)

 英語のWhats the matter with you?に相当します。相手の体調が悪そうな時、相手がどこか不審げに見える時に使える表現です。

 hai(アイ)は動詞avere(アヴェーレ=have)の2人称単数形です。相手によって、この活用を変化させます。例えば、Che cosha?(ケ コザ)と言えば、目上の相手に対して尋ねる表現になります。ha(ア)は動詞avere(アヴェーレ)の2人称敬称形、もしくは、3人称になります。また、Che cosa avete?(ケ コザ アヴェーテ)と言うと、複数の相手に対して尋ねることが出来ます。avete(アヴェーテ)は動詞avere(アヴェーレ)の2人称複数形です。

 

Non stai bene?(ノン スタイ ベーネ)

 英語のArent you good?に相当します。相手の調子が良くない時に使える表現です。

 stai(スタイ)は動詞essere(エッセレ=be)の2人称単数形です。相手によって、この活用を変化させます。例えば、Non sta bene?(ノン スタ ベーネ)と言えば、目上の相手に対して尋ねる表現になります。sta(スタ)は動詞essere(エッセレ)の2人称敬称形、もしくは、3人称になります。また、Non state bene?(ノン スターテ ベーネ)と言うと、複数の相手に対して尋ねることが出来ます。state(スターテ)は動詞essere(エッセレ)の2人称複数形です。

 

Ti fa male la testa?(ティ ファ マーレ ラ テスタ)

 英語のAre you headache?に相当します。la testa(ラ テスタ)がthe headに相当します。

 ここでのポイントはfare male(ファーレ マーレ)です。英語のgive a painに相当し、「〜が痛い」と言う表現を作ることが出来ます。male(マーレ)はbadpainに相当します。この時、動詞fare(ファーレ=do)は痛みを感じる体の部位が主語になります。つまり、上記例文のようにその部位が単数ならfa male(ファ マーレ)、複数ならfanno male(ファンノ マーレ)となります。例えば、Ti fanno male i piedi?(ティ ファンノ マーレ イ ピエディ)と言うとDo you have aches in your feet?に相当します。i piedi(イ ピエディ)でfeetに相当します。

 

Ho la febbre.(オ ラ フェッブレ)

 英語のI have fever.に相当します。febbre(フェッブレ)がfeverに相当します。

 ここでのポイントは動詞avere(アヴェーレ)の使い方です。avere(アヴェーレ)+名詞で体調を表すことが出来ます。

 例えば、Ho il raffreddore.(オ イル ラッフレッドーレ)と言うと、I am cold.に相当します。raffreddore(ラッフレッドーレ)がcoldに相当します。

 また、Hai la febbre?(アイ ラ フェッブレ)と言うとDo you have fever?に相当し、相手に症状を尋ねることが出来ます。