Italian Vol.8
(参考文献:2017年度NHKラジオ「まいにちイタリア語」4月号)
◆Sei stanco?(セイ スタンコ)
英語のAre
you tired?に相当します。sei(セイ)は動詞essere(エッセレ=be)の2人称単数形です。
ここでのポイントはイタリア語の形容詞についてです。イタリア語では、形容詞は形容する名詞の性・数に合わせて語尾が変化します。上記例文では主語にあたるtu(トゥ)が男性であり、stanco(スタンコ)は-oで終わっています。
これが、主語がChiara(キアーラ)と言う女性になると、Chiara, sei stanca?(キアーラ, セイ スタンカ)となり、stanco(スタンコ)は-aで終わります。
更に、主語がvoi(ヴォイ=複数形のyou)になると、Siete stanchi?(スィエーテ スタンキ)と-iで終わったり、複数の主語が全員女性だった場合は、Siete stanche?(スィエーテ
スタンケ)と-eで終わったりします。
◆Benvenuto in Giappone!(ベンヴェヌート イン ジャッポーネ)
英語のWelcome to Japan!に相当します。giappone(ジャッポーネ)がJapanに相当します。
ここでのポイントはbenvenuto(ベンヴェヌート)です。英語のwelcomeに相当する形容詞です。これも前述のstanco(スタンコ)と同じように、主語によって語尾の形が変わるので注意が必要です。
上記例文では相手が1人の男性に対して使われるフレーズです。これが、1人の女性に対してだとBenvenuta!(ベンヴェヌータ)となります。
相手が2人以上だとBenvenuti!(ベンヴェヌーティ)、2人以上の女性だとBenvenute!(ベンヴェヌーテ)となります。
それから地名に付く前置詞についてですが、上記例文のように国名を言う時には前置詞はin(イン)、都市名を言う時にはa(ア)となるので注意が必要です。例えば、Benvenuto a Tokyo!(ベンヴェヌート
ア トウキョウ)と言うと、Welcome to Tokyo!に相当します。
◆Hai fame?(アイ ファーメ)
英語のAre you hungry?に相当します。fame(ファーメ)がhungryに相当します。
ここでのポイントはhai(アイ)です。これは動詞avere(アヴェーレ=have)の2人称単数形です。上記例文は直訳すると、Do you have hunger?に相当します。
この動詞avere(アヴェーレ)の後に様々な単語を置いて、自分の状態を伝えることが出来ます。
Ho fame.(オ ファーメ=I am hungry.)、Ho sete.(オ セーテ=I am thirsty.)、Ho sonno.(オ ソンノ=I am sleepy.)など。
逆に、相手に尋ねる場合は、Ha fame?(ア ファーメ=Are you
hungry?)、Avete sete?(アヴェーテ セーテ=Are
you thirsty?)、Non avete sonno?(ノナヴェーテ ソンノ=Aren’t you sleepy?)などのように言います。
◆Andiamo a mangiare qualcosa!(アンディアーモ ア マンジャーレ クアルコーザ)
英語のLet’s go to have something to eat!に相当します。a(ア)はto、mangiare(マンジャーレ)はeat、qualcosa(クアルコーザ)はsomethingに相当します。
ここでのポイントはandiamo(アンディアーモ)です。これは動詞andare(アンダーレ=go)の1人称複数形です。直訳するとwe goに相当しますが、let’sにも相当し、相手を誘う表現になります。その場合、このandiamo(アンディアーモ)の後にa(ア=to)を置き、その後に動詞の不定詞を置きます。
例えば、Let’s go to have something to
drink!と言いたい場合は、Andiamo a bere qualcosa!(アンディアーモ ア ベーレ
クアルコーザ)と言います。他にも、Let’s go to the hotel!と言いたい場合は、Andiamo all’hotel!(アンディアーモ アッロテル)と言うことが出来ます。all(アッル)はa(ア)の後ろに、hotel(オテル=hotel)の定冠詞lo(ロ)の縮約形であるl’がくっ付いた形です。
◆Domani vi porto in giro per
Kyoto.(ドマーニ ヴィ ポルト イン ジーロ ペル キョウト)
英語のTomorrow I will show you
around Kyoto.に相当します。in giro per(イン ジーロ ペル)でaround、porto(ポルト)は動詞portare(ポルターレ=take)の1人称単数形です。
ここでのポイントはvi(ヴィ)です。これは2人称複数形目的格のyouに相当します。イタリア語ではvoi(ヴォイ)の目的格です。
イタリア語では、直接目的格代名詞は上記例文のように動詞の前に置かれます。上記例文では複数形なのでvi(ヴィ)となっていますが、例えば、単数形ではtu(トゥ)の目的格はti(ティ)、Lei(レイ)の目的格はLa(ラ)となります。
例えば、La porto alla stazione.(ラ
ポルト アッラ スタッツィオーネ)と言うと、I will take you to the station.に相当します。alla(アッラ)は前置詞a(ア=to)と定冠詞la(ラ)が縮約された形、stazione(スタッツィオーネ)はstationに相当します。
◆C’è un
tempio molto famoso.(チェ ウン テンピオ モルト ファモーゾ)
英語のThere is a famous temple.に相当します。tempio(テンピオ)はtempleに相当しますが、複数形になるとtempli(テンプリ)と形が変わります。famoso(ファモーゾ)はfamousに相当します。ちなみに、イタリア語では神社もお寺もtempio(テンピオ)と言います。
ここでのポイントはc’è(チェ)です。これはesserci(エッセルチ)と言う動詞で、there isに相当します。単数の時はc’è(チェ)ですが、複数の時はci sono(チ
ソノ)となります。例えば、There are a lot of good foods.と言いたい場合は、Ci sono tante cose buone!(チ ソノ タンテ コーゼ ブオーネ)と言います。cose(コーゼ)はcosa(コーザ=thing)の複数形です。
◆A che ora ti svegli?(ア ケ オラ
ティ ズヴェッリ)
英語のWhat time do you wake up?に相当します。
ここでのポイントはti svegli(ティ ズヴェッリ)です。これはもともと動詞svegliarsi(ズヴェッリアールスィ=wake up)と言う動詞で、「再帰動詞」と呼ばれるものです。
「再帰動詞」とは、「ある行為がその行為をしている本人に帰って来る動詞」のことで、si(スィ)の部分が間接目的格代名詞に変化し、動詞の部分はその人称に応じて変化をします。
ではここで、動詞svegliarsi(ズヴェッリアールスィ)の活用を見てみましょう。
mi sveglio(ミ ズヴェッリオ=I wake up)、ti svegli(ティ ズヴェッリ=you wake up)、si sveglia(スィ ズヴェッリア=he, she wakes up)。
ci svegliamo(チ ズヴェッリアーモ=we wake up)、vi svegliate(ヴィ ズヴェッリアーテ=you wake up)、si svegliano(スィ ズヴェッリアノ=they wake up)。
例えば、I wake up at 7 o’clock.と言いたい場合は、Mi sveglio alle 7.(ミ ズヴェッリオ
アッレ セッテ)と言います。「〜時に」と言いたい場合は、alle(アッレ)の後ろに数字を置きます。ただし、1時の場合は、alle(アッレ)とuna(ウナ=one)が結合し、all’una(アッルナ)となります。
それから、正午はa mezzogiorno(ア メッゾジョルノ)、深夜零時はa mezzanotte(ア メッザノッテ)と言います。
◆Mi alzo alle 8.(ミ アルツォ アッレ
オット)
英語のI get up at 8 o’clock.に相当します。
ここでのポイントはmi alzo(ミ アルツォ)です。これも「再帰動詞」です。この動詞はalzarsi(アルツァールスィ=get up)で、svegliarsi(ズヴェッリアールスィ)が「目を覚ます」と言う意味合いなのに対し、alzarsi(アルツァールスィ)は「起き上がって布団から出る」と言う意味合いになります。
では、この動詞alzarsi(アルツァールスィ)の活用を見てみましょう。
mi alzo(ミ アルツォ=I get up)、ti alzi(ティ アルツィ=you
get up)、si alza(スィ アルツァ=he, she gets
up)。
ci alziamo(チ アルツィアーモ=we get up)、vi alzate(ヴィ アルツァーテ=you get up)、si alzano(スィ アルツァノ=they get up)。
◆Ci vediamo alle 10 alla
stazione.(チ ヴェディアーモ アッレ ディエチ アッラ スタッツィオーネ)
英語のLet’s
meet at the station at 10 o’clock.に相当します。
ここでのポイントはci vediamo(チ ヴェディアーモ)です。これも再帰動詞で、原形はvedersi(ヴェデールスィ=see, meet)です。このように「〜し合う」と言う意味に出来る動詞を「相互的用法」と言います。このci vediamo(チ ヴェディアーモ)以外にも相互的用法になる動詞はいくつかあります。
例えば、Ci sentiamo dopo.(チ センティアーモ
ドーポ)と言うと、Let’s call later.に相当します。dopo(ドーポ)がlaterに相当します。ci
sentiamo(チ センティアーモ)は動詞sentirsi(センティールスィ=call)が原形です。
他にも、Domani a che ora ci
incontriamo?(ドマーニ ア ケ オラ チ インコントリアーモ)と言うと、What time shall
we meet tomorrow?に相当します。ci incontriamo(チ インコントリアーモ)は動詞incontorarsi(インコントラールスィ=meet)が原形です。
◆Stanotte hai dormito bene?(スタノッテ
アイ ドルミート ベーネ)
英語のDid you sleep well last
night?に相当します。stanotte(スタノッテ)はtonightやlast nightに相当します。
ここでのポイントは過去の表現の表し方です。上記例文ではhai
dormito(アイ ドルミート)がそれにあたります。
イタリア語では過去を表す場合には、avere(アヴェーレ=have)+動詞の過去分詞形で表します。これを近過去形と言います。
動詞の過去分詞形の作り方はとても簡単です。上記例文のdormito(ドルミート)は動詞dormire(ドルミーレ=sleep)の過去分詞形で、-ireの部分を-itoに変えます。Non hai capito bene?(ノナイ カピート ベーネ)と言うと、Didn’t you understand well?に相当します。capito(カピート)は動詞capire(カピーレ=understand)の過去分詞形です。
他にも、-areで終わる動詞、例えば、mangiare(マンジャーレ=eat)であれば、-areの部分を-atoに変化させます。Avete mangiato bene?(アヴェーテ マンジャート
ベーネ)と言うと、Did you eat well?に相当します。
-ereで終わる動詞、例えば、sapere(サペーレ=know)であれば、-ereの部分を-utoに変化させます。
◆Ho fatto colazione.(オ ファット
コラッツィオーネ)
英語のI had breakfast.に相当します。colazione(コラッツィオーネ)がbreakfastに相当します。
ここでのポイントも過去の表現の表し方です。前述例文と違うのは、動詞が不規則変化するものであると言うことです。
上記例文では動詞fare(ファーレ=do)が過去分詞になっています。fare colazione(ファーレ コラッツィオーネ)でhave breakfastに相当します。
不規則な変化をする動詞としては他にもprendere(プレンデレ=take、drink)やvedere(ヴェデーレ=see)などがあります。
Hai già preso il caffè?(アイ
ジャ プレーゾ イル カッフェ)と言うと、Did you have coffee yet?に相当します。già(ジャ)はalreadyやyetに相当します。preso(プレーゾ)が動詞prendere(プレンデレ)の過去分詞形です。
他にも、Che cosa avete visto in
Giappone?(ケ コザ アヴェーテ ヴィスト イン ジャッポーネ)と言うと、What did you
see in Japan?に相当します。visto(ヴィスト)が動詞vedere(ヴェデーレ)の過去分詞形です。
◆La colazione l’hai già fatta?(ラ
コラッツィオーネ ライ ジャ ファッタ)
英語のHave you had breakfast yet?に相当します。
ここでのポイントはl’(ラ)の部分です。イタリア語では、直接目的語代名詞は動詞の前に置きます。上記例文は直訳すると、The breakfast, have you had it yet?になります。直接目的語代名詞は主語になる名詞の性・数に合わせて、lo(ロ=男性単数形)、la(ラ=女性単数形)、li(リ=男性複数形)、le(レ=女性複数形)に変化します。上記例文のl’(ラ)は主語がla colazione(ラ コラッツィオーネ)と女性単数形なので、la(ラ)が置かれていることが分かります。
他にも、Il bagno l’hai già fatto?(イル
バンニョ ライ ジャ ファット)と言うと、Have you taken the shower yet?に相当します。il bagno(イル バンニョ)はthe bathに相当します。
過去分詞になる動詞が規則動詞の場合も同じです。例えば、Kyoto
l’hai già visitata?(キョウト ライ ジャ ヴィズィタータ)と言うと、Have you
visited Kyoto yet?に相当します。visitata(ヴィズィタータ)は動詞visitare(ヴィズィターレ=visit)の過去分詞形です。Kyotoと言う地名はcittà(チッタ=city)と言う女性名詞なので動詞visitare(ヴィズィターレ)の過去分詞も主語に合わせてvisitata(ヴィズィタータ)と変化しています。
◆Mentre ti aspetto, ti faccio il
biglietto.(メントレ ティ アスペット, ティ ファッチョ イル ビリエット)
英語のDuring I wait for you, I will
buy the ticket for you.に相当します。mentre(メントレ)はduring、aspetto(アスペット)は動詞aspettare(アスペッターレ=wait)の1人称単数形、biglietto(ビリエット)はticketに相当します。
ここでのポイントは間接目的語代名詞です。日本語の「〜に」と訳される代名詞のことです。上記例文では後ろのti(ティ)がそれに相当し、2人称単数形目的格のyouに相当します。
ではここで、イタリア語での間接目的語代名詞と直接目的語代名詞を見ておきましょう。まずは間接目的語代名詞です。
mi(ミ=me)、ti(ティ=you)、gli(リ=him)、le(レ=her)、Le(レ=丁寧なyou)。ci(チ=us)、vi(ヴィ=you)、gli(リ=them)。
次に直接目的語代名詞です。
mi(ミ=me)、ti(ティ=you)、lo(ロ=him)、la(ラ=her)、La(ラ=丁寧なyou)。ci(チ=us)、vi(ヴィ=you)、li(リ=男性形のthem)、le(レ=女性形のthem)。
Mentre vi aspetto, vi faccio il
biglietto.(メントレ ヴィ アスペット, ヴィ ファッチョ イル ビリエット)と言うと、During I wait for you, I will buy the ticket for you.に相当します。
直接目的語代名詞か、間接目的語代名詞かを見分ける方法としては、動詞の後ろに名詞が着ている場合は常に「間接目的語代名詞」になります。例えば、Le chiamo un taxi.(レ キアーモ ウン タクスィー)と言うとI will call
a taxi for you.に相当し、Le(レ)が間接目的語代名詞であることが分かります。chiamo(キアーモ)は動詞chiamare(キアマーレ=call)の1人称単数形です。
反対に、動詞の後ろに名刺がない場合はだいたい「直接目的語代名詞」になります。例えば、La chiamo domani.(ラ キアーモ ドマーニ)と言うとI will call you
tomorrow.に相当し、La(ラ)が直接目的語代名詞であることが分かります。