Greek Vol.4

(参考文献:白水社「ニューエクスプレス 現代ギリシア語」)

 

◆はじめに

 ギリシア文字に使用しているフォントはArialです。どのOfficeにもインストールされているので正常にご覧頂けると思いますが。

 

Εσύ από πού είσαι;(エシ アポ ブ イセ)

 英語のWhere are you from?に相当します。

 ここでのポイントは出身地の聞き方です。出身を聞く疑問文は前置詞από(アポ=from)をπού(ブ=where)の前に置いて作ります。これに対し、I am from Japan.と言いたい場合は、Είμαι από την Ιαπωνία.(イメ アポ ティン ヤポニア=I am from Japan)と言います。

 前置詞が前に付いた場合、後ろの名詞は対格と言う形を取ります。また、名詞に付いている冠詞も対格を取ります。Japanはギリシア語で、主格の場合はη Ιαπωνία(イ ヤポニア)ですが、対格の場合はτην Ιαπωνία(ティン ヤポニア)となります。

 

Το αυτοκίνητό σου είναι ιαπωνικό;(ト アフトキニト ス イネ ヤポニコ)

 英語のIs your car made in Japan?に相当します。το αυτοκίνητό(ト アフトキニト)がthe carに相当します。

 ここでのポイントは所有を表わす人称代名詞です。上記例文ではσου(ス)がyourに相当します。

 ギリシア語では所有を表わす人称代名詞は名詞の後ろに付きます。名詞と結び付いて1つの単語のように発音されます。

 ではここで、所有を表わす人称代名詞をご紹介します。

 μου(ム=my)、σου(ス=親しいyour)、του(トゥ=his)、της(ティス=her)、του(トゥ=its)。

 μας(マス=our)、σας(サス=丁寧なyour、複数形のyour)、τους(トゥス=their)。

 

Ποιος είναι αυτός ο κύριος;(ピオス イネ アフトス オ クピオ

 英語のWho is the man?に相当します。ο κύριος(オ クピオス)でthe manに相当します。

 ここでのポイントは疑問代名詞と呼ばれるものです。例文ではποιος(ピオス)がそれに相当します。英語のwhoに相当しますが、この疑問代名詞にも男性形、女性形、中性形があります。

 女性形はποια(ピア)となり、Who is the lady?と言いたい場合は、Ποια είναι αυτή η κυρία;(ピア イネ アフティ イ クピア)と言います。

 ちなみに中性形はποιο(ピオ)と言います。

 

Ποιος άνδρας είναι Έλληνας;(ピオス アンドラス イネ エリナス)

 英語のWhich man is Greek?に相当します。άνδρας(アンドラス)がmanに相当します。

 ここでのポイントも疑問代名詞です。例文ではποιος(ピオス)がそれに相当しますが、ここではwhichの意味で使われています。

 女性形はποια(ピア)となり、Which girl student is from China?と言いたい場合は、Ποια φοιτήτρια είναι από την Κίνα;(ピア フィティトリア イネ アポ ティン キナ)と言います。

 

Που μένεις;(プ メニス)

 英語のWhere do you live?に相当します。

 ここでのポイントは動詞の変化です。ギリシア語の辞書では1人称単数形が見出し語と示されています。英語のように不定詞が存在しません。他の言語と同じように語尾によって主語が誰なのかが分かるので、主語は普通は省略されます。

 ではここで、上記の動詞の活用形をご紹介します。

 μένω(メノ=I live)、μένεις(メニス=親しいyou live)、μένει(メニ=he, she lives)。μένουμε(メヌメ=we live)、μένετε(メネテ=丁寧なyou live、複数のyou live)、μένουν(メヌン=they live)。

 この活用語尾(-ω, -εις, -ει, -ουμε, -ετε, -ουν)の変化を第1変化動詞と言います。

 

Πάω στο ταχυδρομείο σήμερα.(パオ スト タフドロメイオ スィメラ)

 英語のI go to the post office today.に相当します。στο(スト)がtoταχυδρομείο(タフドロメイオ)がthe post officeσήμερα(スィメラ)がtodayに相当します。

 ここでのポイントはπάω(パオ)です。英語のgoに相当し、「〜に行く」と言う意味になります。活用は下記の通りです。

 πάω(パオ=I go)、πάς(パス=親しいyou go)、πάει(パイ=he, she goes)。πάμε(パメ=we go)、πάτε(パテ=丁寧なyou go、複数のyou go)、πάνε(パネ=they go)。

 ギリシア語には英語のような現在進行形はありません。どの動詞も「〜する」、「〜している」と言う2つの意味を持ち、文脈によって使い分けます。

 しかし、この「行く」と言う意味の動詞は例外的に「行く」と言う動詞の他に、「今行きつつある、繰り返し行く、通う」と言う意味の動詞πηγαίνω(ピゲノ)が存在します。上記例文をI am going to the post office now.と言う文章に変換すると、Πηγαίνω στο ταχυδρομείο τώρα.(ピゲノ スト タフドロメイオ トーラ)となります。τώρα(トーラ)がtodayに相当します。

 

Πηγαίνω στο γιατρό μου.(ピゲノ スト ヤットロ ム)

 英語のI go to see my doctor.に相当します。γιατρό(ヤットロ)がdoctorに相当します。

 ここでのポイントは前置詞σε(セ)です。「〜に(行く)」と言うように場所を示す時は、前置詞σε(セ)を使います。前置詞は名詞の対格を取ります。このσε(セ)の場合は、定冠詞の対格と結び付きます。

 男性形定冠詞ο(オ)の対格形τον(トン)とσε(セ)が結び付くとστον(ストン)、女性形定冠詞η(イ)の対格形την(ティン)とσε(セ)が結び付くとστην(スティン)、中性形定冠詞το(ト)の対格形το(ト)とσε(セ)が結び付くとστο(スト)となります。

 他にも、Eleni lives in Athens.と言いたい場合は、Η Ελένη μένει στην Αθήνα.(イ エレニ メニ スティン アシーナ)と言います。Αθήνα(アシーナ=Athens)が女性名詞なので、定冠詞もτην(ティン)となり、そこにinに相当する前置詞σε(セ)が付いてστην(スティン)となっています。

 

Μιλάς καλά ελληνικά.(ミラス カラ エリニカ)

 英語のYou speak good Greek.に相当します。καλά(カラ)がgoodに相当します。

 ここでのポイントはμιλάς(ミラス)です。これは動詞μιλάω(ミラオ=I speak)の2人称単数形で、you speakに相当します。

 ギリシア語の直接法現在の動詞には以前紹介した第1変化と、今回ご紹介する第2変化と言うのがあります。上記の動詞μιλάω(ミラオ)は第2変化になります。

 では、上記動詞μιλάω(ミラオ)の活用をご紹介します。

 μιλάω(ミラオ=I speak)、μιλάς(ミラス=親しいyou speak)、μιλάει(ミライ=he, she speaks)。

 μιλάμε(ミラメ=we speak)、μιλάτε(ミラテ=丁寧なyou speak、複数のyou speak)、μιλάνε(ミラネ=they speak)。

 例えば、I speak English.と言いたい場合は、Μιλάω αγγληκά.(ミラオ アングリカ)と言います。逆に、They dont speak good English.と言いたい場合は、notに相当するδεν(デン)を文頭に置いて、Δεν μιλάνε καλά αγγλικά.(デン ミラネ カラ アングリカ)と言います。αγγλικά(アングリカ)がEnglishに相当します。

 

Ο Γιώργος οδηγεί γρήγορα.(オ ヨルゴス オディギ グリゴラ)

 英語のYorgos drives fast.に相当します。γρήγορα(グリゴラ)がfastに相当します。

 ここでのポイントはοδηγεί(オディギ)です。これは動詞οδηγώ(オディゴ=I drive)の3人称単数形で、he drivesに相当します。

 実はこの動詞οδηγώ(オディゴ)も動詞第2変化と呼ばれる部類に入ります。では、動詞οδηγώ(オディゴ)の活用をご紹介します。

 οδηγώ(オディゴ=I drive)、οδηγείς(オディギス=親しいyou drive)、οδηγεί(オディギ=he, she drives)。

 οδηγούμε(オディグメ=we drive)、οδηγείτε(オディギテ=丁寧なyou drive、複数のyou drive)、οδηγούν(オディグン=they drive)。

 上記の動詞μιλάω(ミラオ)のような活用をするタイプを第2α変化、動詞οδηγώ(オディゴ)のような活用をするタイプを第2β変化と言います。

 

Οι Ιάπωνες ξέρουν καλά αγγλικά;(イ ヤポネス クセルン カラ アングリカ)

 英語のDo many Japanese understand English well?に相当します。ξέρουν(クセルン)が動詞ξέρω(クセロ=I understand)の3人称複数形です。

 ここでのポイントは名詞の主格複数形です。ギリシア語では名詞の性によって複数形の作り方が異なります。男性名詞は単数形の語尾が-ος(オス)で終わるものは-οι(イ)に、-ης(イス)と-ας(アス)で終わるものは-ες(エス)に変化します。上記のΙάπωνες(ヤポネス)は単数形がΙάπωνας(ヤポナス)なので複数形はΙάπωνες(ヤポネス)となります。

 女性名詞は単数形の語尾が-α(ア)であれ、-η(イ)であれ、複数形の語尾は-ες(エス)となります。

 中性名詞は単数形の語尾が-ι(イ)の時は-ια(イア)、-ο(オ)の時は-α(ア)、-μα(マ)の時は-ματα(マタ)となります。

 また、同時に、形容詞も名詞の性と数に合わせて変化します。上記例文のκαλά(カラ)はκαλό(カロ)と言う中性単数形が複数形に変化した形です。

 

ギリシア語の数字

 ここではギリシア語の数字を0〜20までご紹介します。

 μηδέν(ミデン=zero)、ένα(エナ=one)、δύο(ジオ=two)、τρία(トリア=three)、τέσσερα(テセラ=four)、πέντε(ペンデ=five)、έξι(エクシ=six)、επτά(エプタ=seven)、οκτώ(オクト=eight)、εννέα(エネア=nine)、δέκα(ゼカ=ten)。

 ένδεκα(エンゼカ=eleven)、δώδεκα(ゾゼカ=twelve)、δεκατρία(ゼカトリア=thirteen)、δεκατέσσερα(ゼカテセラ=fourteen)、δεκαπέντε(ゼカペンデ=fifteen)、δεκαέξι(ゼカエクシ=sixteen)、δεκαεπτά(ゼカエプタ=seventeen)、δεκαοχτώ(ゼカオクト=eighteen)、δεκαεννέα(ゼカエネア=nineteen)、είκοσι(イコシ=twenty)。