Filipino Vol.5

(参考文献:白水社「ニューエクスプレス フィリピノ語」)

 

◆May sari-saring kultura dito.(マイ サーリ サーリン クルトゥーラ ディート)

 英語のThere is a variety of cultures here.に相当します。sari-saring(サーリ サーリン)のsari-sari(サーリ サーリ)はa variety of、sari-saring(サーリ サーリン)の-ngは形容詞化を表す繁辞、kultura(クルトゥーラ)はculture、dito(ディート)はhereに相当します。

 ここでのポイントはmay(マイ)です。英語のthere is / there areに相当する、特定されていない物や人の存在を表す文を作ります。

 

◆Mayroong palabas na katutubong sayaw.(メーロン パラバス ナ カトゥトゥーボン サヤウ)

 英語のThere is a show of the local dance.に相当します。palabas(パラバス)はshow、katutubong(カトゥトゥーボン)のkatutubo(カトゥトゥーボ)がlocal、sayaw(サヤウ)はdanceに相当します。

 ここでのポイントはmayroong(メーロン)です。これも英語のthere is / there areに相当します。may(マイ)やmayroon(メーロン)を使って主語のない文を作ることが出来ます。ただし、mayroon(メーロン)はそのままで使うことが出来ず、次に置かれる名詞(句)との間に繁辞-ngが必要になります。

 

Maraming katutubong sayaw dito sa Pilipinas.(マラーミン カトゥトゥーボン サヤウ ディート サ ピリピーナス)

 英語のThere are a lot of local dances here in Philippines.に相当します。dito sa Pilipinas(ディート サ ピリピーナス)でhere in Philippinesに相当します。

 ここでのポイントはmaraming(マラーミン)です。英語のthere areに相当します。元の形はmarami(マラミ)ですが、これもmayroon(メーロン)と同じように繁辞-ngを語尾に必要とし、maraming(マラーミン)となります。

 

◆Walang pasok bukas.(ワラン パーソック ブーカス)

 英語のThere isn’t the class tomorrow.に相当します。pasok(パーソック)がclassやwork、bukas(ブーカス)がtomorrowに相当します。

 ここでのポイントはwalang(ワラン)です。英語のthere isn’tに相当します。元の形はwala(ワラ)ですが、これも繁辞-ngを語尾に必要とし、walang(ワラン)となります。

 

◆Mayroon bang bagong balita?(メーロン バン バーゴン バリータッ)

 英語のIs there any news?に相当します。bagong(バーゴン)のbago(バーゴ)はnew、balita(バーリタッ)はnewsに相当します。

 ここでのポイントはbang(バン)です。mayroon(メーロン)、wala(ワラ)、marami(マラーミ)を使った文を疑問文にする時、それらのすぐ後にbang(バン)が来ます。bang(バン)は疑問文を作る小辞ba(バ)に、mayroon(メーロン)、wala(ワラ)、marami(マラーミ)とこれらに続く名詞(句)を繫いでいた繁辞-ngが移動した形です。

 Wala bang pasok bukas?(ワラ バン パーソック ブーカス)と言うと、Isn’t there any class tomorrow?に相当します。Marami bang katutubong sayaw?(マラーミ バン カトゥトゥーボン サヤウ)と言うと、Are there many local dances?に相当します。

 

◆May pasok ba bukas?(マイ パーソック バ ブーカス)

 英語のIs there a class tomorrow?に相当します。

 ここでのポイントはba(バ)です。may(マイ)を使った文の場合、may(マイ)+名詞(句)の後にba(バ)が来ます。

 ただし、上記のような質問文に対しての答え方に注意が必要です。例えば、上記質問文に対して、Yes, there is.と言いたい場合は、Oo, mayroon.(オーオ, メーロン)のようにmayroon(メーロン)を使います。may(マイ)が単独で答えとして使われることはありません。

 ちなみに、No.と言いたい場合は、Wala.(ワラ)と言います。

 

◆フィリピン語での場所を表す言葉

 ここではフィリピン語での場所を表す言葉をご紹介します。

 dito(ディート=here)、diyan(ジャン=there)、doon(ドオン=over there)。

 sa itaas ng(サ イタアス ナン=upward)、sa ibabaw ng(サ イバーバウ ナン=on)、sa ibaba ng(サ イババ ナン=downward)、sa ilalim ng(サ イラーリム ナン=under)。

 sa kabila ng(サ カビラ ナン=opposite)、sa gitna ng(サ ギットナ ナン=in the middle of)、sa harap ng(サ ハラップ ナン=in front of)、sa likod ng(サ リコッド ナン=behind)。

 sa loob ng(サ ロオブ ナン=in)、sa labas ng(サ ラバス ナン=outside)、sa dulo ng(サ ドゥーロ ナン=edge of)。

 

◆Anong oras ngayon?(アノン オーラス ガヨン)

 英語のWhat time is it now?に相当します。anong(アノン)のano(アノ)はwhat、ng(ン)は繁辞、oras(オーラス)はtimeやhour、ngayon(ガヨン)はnowに相当します。

 ここでのポイントは時間の言い方です。まず、「時」を見てみましょう。フィリピン語では時間を表す時はスペイン語読みします。

 ala una(アラ ウーナ=one o’clock)、alas dos(アラス ドス=two o’clock)、alas tres(アラス トレス=three o’clock)、alas kuwatro(アラス クワートロ=four o’clock)、alas singko(アラス シィーンコ=five o’clock)、alas sais(アラス サイス=six o’clock)、alas siyete(アラス シェーテ=seven o’clock)、alas otso(アラス オーチョ=eight o’clock)、alas nuwebe(アラス ヌウェーベ=nine o’clock)、alas diyes(アラス ジィエス=ten o’clock)、alas onse(アラス オーンセ=eleven o’clock)、alas dose(アラス ドーセ=twelve o’clock)。

 続いて「分」の表し方です。

 diyes(ジィエス=ten)、beynte(ベーインテ=twenty)、treynta(トレーインタ=thirty)、kuwarenta(クワレーンタ=forty)、singkuwenta(シィンクウェーンタ=fifty)。

 時間と分を一緒に答える時は、時間+分で答えます。例えば、It’s 7:40.だったら、alas siyete kuwarenta(アラス シェーテ クワレーンタ)と言います。

 30分はmedya(メージャ)と言うことも出来ますが、その場合に時間+分を言う時は、時間と分の間にy(イ=and)を入れます。例えば、It’s 9:30.と言いたい場合は、alas nuwebe y medya(アラス ヌウェーベ イ メージャ)と言います。

 なお、in the morningはng umaga(ナン ウマーガ)、in the afternoonはng hapon(ナン ハーポン)、at nightはng gabi(ナン ガビ)と言います。例えば、It’s 7:40 in the morning.と言いたい場合は、alas siyete kuwarenta ng umaga(アラス シェーテ クワレーンタ ナン ンマーガ)と言います。

 

◆フィリピン語での時を表す言葉

 ここではフィリピン語での時を表す言葉をご紹介します。

 ngayon(ガヨン=today, now)、kaninang umaga(カニーナン ウマーガ=this morning)、mamayang gabi(マーマヤン ガビ=tonight)。

 kahapon(カハーポン=yesterday)、kagabi(カガビ=last night)、bukas(ブーカス=tomorrow)。

 linggo(リンゴ=week)、Linggo(リンゴ=Sunday)、Lunes(ルーネス=Monday)、Martes(マルテス=Tuesday)、Miyelkoles(ミイェールコレス=Wednesday)、Huwebes(フウェーベス=Thursday)、Biyernes(ビイェールネス=Friday)、Sabado(Saturday)。

 buwan(ブワン=month)、Enero(エネーロ=January)、Pebrero(ペブレーロ=February)、Marso(マールソ=March)、Abril(アブリル=April)、Mayo(マーヨ=May)、Hunyo(フーニョ=June)、Hulyo(フーリョ=July)、Agosto(アゴースト=August)、Setyembre(セティエームブレ=September)、Oktubre(オクトゥーブレ=October)、Nobyembre(ノビィエームブレ=November)、Disyembre(ディシェームブレ=December)。

 panahon(パナホン=season)、tag-ulan(タグウラン=rainy season)、tagtuyo(タグトゥヨッ=dry season)。

 

◆Mayroon ba silang pagkaing Pilipino?(メーロン バ シィラン パッグカーイン ピリピーノ)

 英語のDo they have Filipino meals?に相当します。pagkain(パッグカーイン)がfoodやmealに相当します。

 ここでのポイントはsilang(シィラン)です。これはsila(シィラ=they)にang(アン)が付き、「彼らのところに」と言う意味になります。mayroon(メーロン)を使っての存在の有無を表す文は、ang句が加わると所有の有無を表す文になります。

 上記例文に対して、Marami silang pagkaing Pilipino.(マラーミ シィラン パッグカーイン ピリピーノ)と言うと、They have a lot of Filipino meals.に相当します。逆に、Wala silang pagkaing Pilipino.(ワラ シィラン パッグカーイン ピリピーノ)と言うと、They don’t have any Filipino meals.に相当します。

 

◆May espesyal na sawsawan sila.(マイ エスペシャル ナ サウサーワン シィラ)

 英語のThey have special sauce.に相当します。espesyal(エスペシャル)がspecial、sawsawan(サウサーワン)がsauceに相当します。

 ここでのポイントはsila(シィラ)です。may(マイ)を使っての「〜があります」と言う存在を表す文に、主語となるang句が加わると、所有「〜には…があります」を表す文になります。

 その場合、ang句は文章の一番最後に来ます。上記例文ではsila(シィラ=they)がそれにあたります。

 他にも、May kapatid si Rocel.(マイ カパティッド シィ ロセル)と言うと、Rocel has brothers.に相当します。kapatid(カパティッド)はbrothersやsistersに相当します。主語となるang句が人名の場合はsi(シィ)またはsina(シィナ)+人名で表されます。

 

◆May espesyal na sawsawan ba sila?(マイ エスペシャル ナ サウサーワン バ シィラ)

 英語のDo they have special sauce?に相当します。

 ang句を伴う所有の有無を問う疑問文の作り方は、上記例文のようにang句の前に疑問を表すba(バ)を置きます。

 他にも、May kapatid ba si Rocel?(マイ カパティッド バ シィ ロセル)と言うと、Does Rocel have brothers?に相当します。

 ただし、気を付けなければならないのが、主語がka(カ=you)の時です。この主語ka(カ)はang句の時だけに使われる特殊な形で、語順も入れ替わります。

 例えば、May asawa ka.(マイ アサーワ カ)と言うと、You have a wife.に相当します。asawa(アサーワ)がwifeに相当します。これを疑問文にする時、上記例文ではba(バ)がang句の人称代名詞の前に来ているのですが、ka(カ)の時だけは、May asawa ka ba?(マイ アサーワ カ バ)となり、ba(バ)がka(カ)の後ろに来ます。

 

◆Nandito ngayon sa Pilipinas ang kuya ko.(ナンディート ガヨン サ ピリピーナス アン クーヤ コ)

 英語のMy brother is here in Philippines now.に相当します。kuya ko(クーヤ コ)でmy brotherに相当します。

 ここでのポイントはnandito(ナンディート)です。「〜は…にあります、います」と言う所在に関する表現はnasa句で表します。nandito(ナンディート)またはnarito(ナリート)でhereに相当します。nandiyan(ナンジャン)またはnariyan(ナリャン)でthere、nandoon(ナンドオン)またはnaroon(ナロオン)でover thereに相当します。

 これをWala rito sa Pilipinas ang kuya ko.(ワラ リート サ ピリピーナス アン クーヤ コ)と言うと、My brother is not here in Philippines.に相当します。ただし、主語が人称代名詞の場合は、主語はwala(ワラ)のすぐ後ろに置きます。例えば、He is not here in Philippines.と言いたい場合は、Wala siya rito sa Pilipinas.(ワラ シャ リート サ ピリピーナス)となります。

 

◆Masaya ang aming pamilya.(マサヤ アン アーミン パミーリャ)

 英語のOur family is happy.に相当します。masaya(マサヤ)がhappy、pamilya(パミーリャ)がfamilyに相当します。

 ここでのポイントはaming(アーミン)です。これはsa句と呼ばれるもので所有を表し、特に代名詞を伴って使われます。

 ng句を使っての所有者表現は、所有されるものを表す単語の後ろから修飾しましたが、このsa句を使う時は前から修飾します。上記例文であれば、aming pamilya(アーミン パミーリャ=our family)のようになりますが、ここで注意が必要なのは、sa句の人称代名詞の後ろに繁辞が必要と言うことです。aming(アーミン)はもともとamin(アーミン=our)に-gと言う繁辞が付いたものになります。

 ではここで、sa句の人称代名詞をご紹介します。

 akin(アーキン=my)、iyo(イヨ=単数のyour)、kanya(カニャ=his, her)。atin(アーティン=our、相手を含む)、amin(アーミン=our、相手を含まない)、inyo(イニョ=複数のyour)、kanila(カニラ=their)。