Filipino
Vol.2
(参考文献:情報センター出版局「旅の指さし会話帳 フィリピン」)
◆フィリピン語とは
フィリピノ語(フィリピン語とも言う)は、1987年の改定憲法によってフィリピンの国語として規定された言語で、実態はタガログ語(タガーログ語)と同じと考えてよい。しかし、フィリピンは7107の島々からなる島国で、全土には200あまりの言語が存在する。主な地方語としては、フィリピン語(タガログ語)の他に、セブアーノ語、イロカーノ語、イロンゴ語などがある。
フィリピノ語(タガログ語)は最も重要な言葉ではあるが、もともとはマニラ周辺の一地方の言語に過ぎない。このため全国民の中でフィリピノ語を理解するのは70%、日常生活で使用しているのは30%に満たないと言う統計もある。しかし、フィリピノ語によるテレビ番組や映画の全国への浸透によってフィリピノ語は着実に全国に普及しつつある。
また、フィリピンでは英語を話せる人は多い。また日本に働きに来ているフィリピン人は日本語を話せる場合が多い。自分も話し相手も英語や日本語が話せる時に必ずしもフィリピン語を話す必要はないのだが、会話の端々にフィリピン語を挟むだけでフィリピン人との距離がぐっと縮まってお互いの親近感が増すのだ。
◆フィリピン人の国民性
フィリピン人はよそ者に寛容である。知り合ったばかりでもすぐ友達になれる、外国人だってすぐ仲間に入れてくれる、そんな気安さがある。フィリピン人が世界に誇るホスピタリティだ。年中全国各地で開催されている村祭りはその典型。通りがかりの人は誰でも大歓迎で、各家に招き入れられ、これでもかこれでもかと豪華な食事のもてなしを受ける。こうしたもてなしをするために借金までするほどだ。
時間に関しては悪名高いフィリピンタイムは健在。フィリピンタイムとは、約束の時間に遅れること。朝9時に始業の事務所でも全員揃うのが11時なんて言うのは序の口。無断欠勤者に翌日理由を尋ねると「ちょっと気が乗らなかった」などと平気で言ってのける感覚は、いかにもフィリピン人的。約束に関しても2時間遅れまでは許容範囲。ただし、日本人や欧米人と仕事をしているビジネスマンは時間に厳格だ。
その他、フィリピン人の多くに共通する性格や特徴として、NOの返事をはっきり言わない(だから何か頼み事をした時にはっきり引き受けてくれなかったらNOと思うべきだ)、議論好き(しかし結論は出ない)、ゴシップ好き、有名人好き、浪花節にも似た義理・人情の意識を持っていること、地図が読めない、算数・数字に弱いなどが挙げられる。また、誕生日や送別会では誕生日を迎えたり、去って行く本人がスポンサーになって親しい人達をもてなすのがフィリピン人の常識である。
◆年輩者を敬う
フィリピンでは年輩者を敬う。血縁関係がなくても、少し年上の男性ならkuya(クーヤ=elder
brother)、少し年上の女性ならate(アーテ)、それよりもっと年上の人なら、男性の場合はtito(ティート=uncle)、女性の場合はtita(ティータ=aunt)、おじいさんならlolo(ローロ)、おばあさんならlola(ローラ)と言う。これらを使えば使うほど、礼儀正しい外国人だと評価されるだろう。