Czech Vol.4

(参考文献:白水社「ニューエクスプレス チェコ語」)

 

◆はじめに

 チェコ語で使用しているフォントはArialです。どのOfficeにもインストールされているので正常にご覧頂けると思いますが。

 

チェコ語の名詞の格

 チェコ語では名詞の語尾が変化して文中での役割を表します。役割は7通りあり、単数と複数で14通りに変化します。それを「格」と呼びます。

 1格は主格とも言い、「〜は(が)」にあたる主語になる役割をします。2格は生格とも言い、「〜の」にあたる所有や所属を表します。3格は与格とも言い、「〜に」にあたる間接目的語を表します。4格は対格とも言い、「〜を」にあたる直接目的語を表します。5格は呼格とも言い、「〜よ」と相手に呼びかける時の形を表します。6格は前置格とも言い、前置詞を伴う形です。そして、7格は造格と言い、「〜で、〜によって」と手段や方法を表します。

 

Dám si kávu a minerálku.(ダーム スィ カーヴゥ ア ミネラールクゥ)

 英語のI drink coffee and mineral water.に相当します。dám si(ダーム スィ)は動詞dát si(ダート スィ=drinkeat)の1人称単数形、kávu(カーヴゥ)はkáva(カーヴァ)の4格、minerálku(ミネラールクゥ)はminerálka(ミネラールカ)の4格です。

 このように、名詞の単数4格の中で、名詞の単数1格の語尾が-aで終わるものは-a-uにすると言う決まりがあります。他にも様々な変化の仕方がありますので、それは適宜、ご紹介して行きます。

 

Dám si kávu.(ダーム スィ カーヴゥ)

 英語のI drink coffee.に相当します。

 ここでのポイントは動詞の活用です。上記例文ではdám si(ダーム スィ)が動詞で、不定形はdát si(ダート スィ)です。この動詞のdát(ダート)の部分が主語によって形を変えます。

 dám si(ダーム スィ=I drink)、dáš si(ダーシュ スィ=you drink)、dá si(ダー スィ=he, she drinks)、dáme si(ダーメ スィ=we drink)、dáte si(ダーテ スィ=you drink)、dají si(ダイー スィ=they drink)。

 例えば、What do you drink?と尋ねたい場合は、Co si dáte?(ツォ スィ ダーテ)と言います。dáte(ダーテ)は本来2人称複数形ですが、丁寧に相手に尋ねる場合はこの形を使います。また、si(スィ)は常に文中の「2番目の位置」に置きます。

 

Znáš Evu Novákovou?(ズナーシュ エヴ ノヴァーコヴォウ)

 英語のDo you know Eva Nováková?に相当します。znáš(ズナーシュ)は動詞znát(ズナート=know)の2人称単数形、Evu Novákovou(エヴ ノヴァーコヴォウ)は人名ですが、Eva Nováková(エヴァ ノヴァーコヴァー)が4格の形を取っています。このように、人名でも置かれる場所によって格変化を起こします。

 

Vím, kde je Eva.(ヴィーム, グデ イェ エヴァ)

 英語のI know where Eva is.に相当します。vím(ヴィーム)は動詞vědět(ヴィエヂェット)の1人称単数形です。

 ここでのポイントは動詞vědět(ヴィエヂェット)です。動詞znát(ズナート)と同じくknowに相当しますが、znát(ズナート)が「経験的に知っている」と言う意味に対し、vědět(ヴィエヂェット)は「事実を知っている」と言う意味になります。

 ここで動詞vědět(ヴィエヂェット)の活用を見ておきましょう。この動詞は不規則変化になります。

 vím(ヴィーム=I know)、víš(ヴィーシュ=you know)、(ヴィー=he, she knows)、víme(ヴィーメ=we know)、víte(ヴィーテ=you know)、vědí(ヴィエテー=they know)。

 

Je mi špatně.(イェ ミ シュパトニェ)

 英語のI am bad.に相当します。mi(ミ)はfor me, to meに相当し、špatně(シュパトニェ)はbadに相当します。直訳すると、I am bad for me.のような感じになります。

 ここでのポイントは代名詞の格変化です。ここでは1人称と2人称の格変化をご紹介します。

 1格(主格)「〜は(が)」、2格(生格)「〜の」、3格(与格)「〜に」、4格(対格)「〜を」、6格(前置格)、7格(造格)「〜で、〜によって」の順に記述します。

 まず、1人称単数形(ヤー)です。1格(主格)=(ヤー)、2格(生格)=mne(ムネ)または(ムニェ)、3格(与格)=mně(ムニェ)またはmi(ミ)、4格(対格)=mne(ムネ)または(ムニェ)、6格(前置格)=mně(ムニェ)、7格(造格)=mnou(ムノウ)。

 次に、2人称単数形ty(ティ)です。1格(主格)=ty(ティ)、2格(生格)=tebe(テベ)または(チェ)、3格(与格)=tobě(トビェ)またはti(チ)、4格(対格)=tebe(テベ)または(チェ)、6格(前置格)=tobě(トビェ)、7格(造格)=tebou(テボウ)。

 次に、1人称複数形my(ミ)です。1格(主格)=my(ミ)、2格(生格)=nás(ナース)、3格(与格)=nám(ナーム)、4格(対格)=nás(ナース)、6格(前置格)=nás(ナース)、7格(造格)=námi(ナーミ)。

 最後に、2人称複数形vy(ヴィ)です。1格(主格)=vy(ヴィ)、2格(生格)=vás(ヴァース)、3格(与格)=vám(ヴァーム)、4格(対格)=vás(ヴァース)、6格(前置格)=vás(ヴァース)、7格(造格)=vámi(ヴァーミ)。

 (ヤー)の2格〜4格、2人称単数の2格〜4格のように2つ形があるのは、長い方を長形、短い方を短方と言います。(ヤー)の3格とty(ティ)の2〜4格で長形を用いる場合は、強調、前置詞の後です。短形は2番目の位置に置きます。

 ja(ヤー)の2格と4格は長形mne(ムネ)が文語形、短形(ムニェ)が口語形です。