Bulgarian
Vol.3
(参考文献:白水社「ニューエクスプレス ブルガリア語」)
◆はじめに
キリル文字で使用しているキリル文字のフォントはArialです。どのOfficeにもインストールされているので、正常にご覧頂けると思いますが。
◆До́бър
де́н!(ドーバル デン)
英語のGood
afternoonに相当します。де́н(デン)はnoonに相当します。まずはブルガリア語での挨拶表現をご紹介して行きます。
де́н(デン)をу́тро(ウートロ=morning)に変えて、Добро́
у́тро!(ドブロ ウートロ)と言うとGood morning.に相当します。
де́н(デン)をве́чер(ヴェーチェル=evening)に変えて、До́бър
ве́чер!(ドーバル ヴェーチェル)と言うとGood evening.に相当します。
また、時間に関係なく使える挨拶表現として、Здраве́йте!(ズドラヴェーイチ)があります。相手が1人で親しい間柄の時にはЗдраве́й!(ズドラヴェイ)と言います。
◆До́бър де́н, господи́н Са́то!(ドーバル デン, ゴスポディン サート)
英語のGood afternoon, Mr.Sato.に相当します。
ここでのポイントは英語のMr.やMs.、Mrs.に相当する敬称についてです。上記例文のгосподи́н(ゴスポディン)はMr.に相当します。英語と同じように姓の前に付けて用いられます。
господи́н(ゴスポディンン)をгоспожа́(ゴスポジャ)にするとMrs.、госпо́жица(ゴスポージツァ)にするとMs.に相当します。
呼びかける時にも使われますが、女性への呼びかけにはMrs.にはгоспо́жо(ゴスポージョ)、Ms.にはгоспо́жице(ゴスポージツェ)と言う特別な形が用いられるため、注意が必要です。
◆Паспо́рта Ви, мо́ля.(パスポールタ ヴィ, モーリャ)
英語のYour passport, please.に相当します。паспо́рта(パスポールタ)はпаспо́рт(パスポールト=passport)に後置定冠詞-аが付いた形です。ブルガリア語では、定冠詞は名詞の後ろに置かれます。Ви(ヴィ)は敬称形yourの所有格や目的格に相当し、その場合、最初のВを文中でも常に大文字で書きます。
ここでのポイントはмо́ля(モーリャ)です。基本的には英語のpleaseに相当し、ものを頼む時によく用いられます。
また、このмо́ля(モーリャ)はイントネーションや前後関係によって、他にも様々な意味で使われます。単調にМо́ля.(モーリャ)と言うとExcuse me.に相当します。これを上げ調子にМо́ля?(モーリャ)と言うとPardon?に、人にものを薦める感じで低く言うとHow would you like 〜?に相当します。また、Благодаря́.(ブラゴダリャ=Thank you.)と言われて、下げ調子でМо́ля.(モーリャ)と言うとYou’re welcome.に相当します。
◆Ка́к сте?(カク ステ)
英語のHow are you?に相当します。挨拶をした後、このような表現を入れて相手を気遣います。
ка́к(カク)がhow、сте(ステ)は動詞съм(サム=be)のви́е(ヴィエ=複数形、敬称形のyou)に付く活用形現在形です。相手が1人で親しい間柄であれば、Ка́к си?(カク スィ)と言います。си(スィ)は動詞съм(サム=be)のти́(ティ=単数形のyou)に付く活用形現在形です。
これに対し、Благодаря́, добре́ съм.(ブラゴダリャ, ドブレ サム)と言うと、I am good,
thank you.に相当します。съм(サム)は動詞съм(サム=be)のа́з(アス=I)に付く活用形現在形です。
◆От Оса́ка съм.(オット オサーカ サム)
英語のI am from Osaka.に相当します。от(オット)はfrom、Оса́ка(オサーカ)がブルガリア語での大阪に相当します。
ここでのポイントは動詞съм(サム)の活用と使い方です。英語のbe動詞に相当し、人称と数によって活用が変化します。
まず、人称代名詞とそれに続く動詞(サム)の活用を見てみましょう。
а́з съм(アス サム=I am)、ти́ си(ティ スィ=単数のyou are)、то́й, тя́, то́ е(トイ, ティヤ, ト エ=he, she, it is)。
ни́е сме(ニエ スメ=we are)、ви́е сте(ヴィエ ステ=複数、敬称形のyou are)、те́ са(テ サ=they are)。
ти́(ティ)は家族、友人などの親しい間柄の人や子供に話しかける時に使われます。
ви́е(ヴィエ)はти́(ティ)の複数形ですが、相手が1人でも敬意を表す表現で使われます。この意味では、最初のВを文中でも常に大文字で書きます。
3人称の代名詞は人だけではなく、ものやことにも使われます。то́й(トイ)は男性名詞を、тя́(ティヤ)は女性名詞を、то́(ト)は中性名詞を、те́(テ)は性の区別なく複数名詞を受けます。
他の言語と同じように動詞の形から主語が分かるので、主語の人称代名詞はしばしば省略されます。
それから、動詞съм(サム)の現在形は文の先頭に置かれることはありません。また、否定の場合は否定の助詞не(ネ)を動詞съм(サム)の前に置き、更に、動詞съм(サム)も目的語や補語の前に置かれます。例えば、Не съ́м от Оса́ка.(ネ サム オット オーサカ)と言うと、I am not from Osaka.に相当します。この時、動詞съм(サム)にはアクセント記号が置かれます。
◆Запозна́йте се с госпожа́ Стоя́нова.(ザポズナーィテ セ ズ ゴスポジャ ストヤーノヴァ)
英語のLet me introduce
Ms.Stoyanova.に相当します。ここでは誰かを紹介する方法、また、ブルガリア語で自己紹介する時に使える表現をご紹介します。
上記例文は直訳すると、Please get
acquainted with Ms.Stoyanova.に相当します。запозна́йте(ザポズナーィテ)は動詞запозна́вам(ザポズナーヴァム=introduce)の命令形で、се с(セ ズ)がwithに相当します。
これに対して、Прия́тно ми е.(プリヤートノ ミ エ)と言うと、Nice to meet you.に相当します。
もっと簡単に、Ка́звам се(カーズヴァム セ) 〜.と言う表現があり、〜の部分に自分の名前を入れて、My
name is 〜.と自分の名前を名乗ることが出来ます。ка́звам се(カーズヴァム セ)はI call myself 〜.に相当します。се(セ)は再帰代名詞の働きをします。
◆Откъде́ сте?(オットカデ ステ)
英語のWhere are you from?に相当します。自分の出身地を言いたい時に使う表現です。このоткъде́(オットカデ)はfrom whereに相当します。
上記例文に対し、От То́кио съм.(オット トーキオ サム)と言うと、I am from Tokyo.に相当します。То́кио(トーキオ)がブルガリア語での東京に相当します。
◆От Оса́ка ли сте?(オット オサーカ リ ステ)
英語のAre you from Osaka?に相当します。
ここでのポイントはли(リ)です。これは、疑問とする言葉や句の後ろに置いて「はい」、「いいえ」で答える疑問文を作る助詞です。上記例文では相手の出身地が大阪であるかどうかを尋ねたいので、Оса́ка(オサーカ)の後ろにли(リ)を置きます。
これに対し、Да́.(ダ)と言うとYes.、Не́.(ネ)と言うとNo.になります。きちんとした文章で言いたい場合は、Да́, от Оса́ка съм.(ダ, オット オサーカ サム)、Не́, не съ́м от Оса́ка.(ネ, ネ サム オット オサーカ)となります。
◆ブルガリア語の名詞の性
ブルガリア語の名詞には男性、女性、中性の区別があります。殆どの名詞は語末の文字で簡単に区別出来ます。
まず、男性名詞は語末が子音で終わります。例えば、спана́к(スパナック=spinach)、Бояджи́ев(ボヤジーエフ=ボヤジエフ(ブルガリアの画家))などがあります。
女性名詞は語末が-а、または-яで終わります。例えば、заку́ска(ザクースカ=breakfast)、Бълга́рия(バルガーリャ=Bulgaria)などがあります。
中性名詞は語末が-о、または-еで終わります。例えば、у́тро(ウートロ=morning)、кафене́(カフェネ=cafeteria)などがあります。
もちろん、例外もあるので1つ1つ確認が必要です。
◆И́скате ли бъ́лгарска заку́ска?(イースカテ リ バルガルスカ ザクースカ)
英語のDo you want to have the
Bulgarian breakfast?に相当します。бъ́лгарска(バルガルスカ)は名詞Бълга́рия(バルガーリャ)の形容詞形です。
ここでのポイントはи́скате(イースカテ)です。動詞и́скам(イースカム=want)の2人称敬称形です。
ブルガリア語の動詞は人称と数と時制で変化します。不定形を表す特別な形がないので、辞書には現在1人称単数形が見出し語として挙げられています。まず、動詞и́скам(イースカム)の活用を見てみましょう。
и́скам(イースカム=I want)、и́скаш(イースカシ=you want)、и́ска(イースカ=he, she, it wants)。
и́скаме(イースカメ=we want)、и́скате(イースカテ=複数形、敬称形you want)、и́скат(イースカット=they want)。
ブルガリア語の動詞は3タイプあります。上記の動詞и́скам(イースカム)は第3タイプと呼ばれるもので、語幹が-аまたは-яで終わります。
語幹が-аで終わる他の動詞としては、заку́свам(ザクースヴァム=to have breakfast)があります。この動詞の活用は下記の通りになります。
заку́свам(ザクースヴァム=I have breakfast)、заку́сваш(ザクースヴァシ=you have breakfast)、заку́сва(ザクースヴァ=he, she, it has breakfast)。
заку́сваме(ザクースヴァメ=we have breakfast)、заку́свате(ザクースヴァテ=複数形、敬称形you have breakfast)、заку́сват(ザクースヴァット=they have breakfast)。
語幹が-яで終わる動詞としては、вече́рям(ヴェチェーリャム=to have dinner)があります。この動詞の活用は下記の通りになります。
вече́рям(ヴェチェーリャム=I have dinner)、вече́ряш(ヴェチェーリャシ=you have dinner)、вече́ря(ヴェチェーリャ=he, she has dinner)。
вече́ряме(ヴェチェーリャメ=we have dinner)、вече́ряте(ヴェチェーリャテ=複数形、敬称形you have dinner)、вече́рят(ヴェチェーリャット=they have dinner)。
否定形は動詞の前に否定の助詞не(ネ)を置きます。例えば、не и́скам(ネ イースカム)と言うとI don’t wantに相当します。
疑問形は、動詞の後に疑問を表す助詞ли(リ)を置きます。例えば、и́скам ли(イースカシ リ)と言うとDo you want?に相当します。
◆Та́м и́ма кафене́.(タム インマ カフェネ)
英語のThere is a café there.に相当します。та́м(タム)はthere、кафене́(カフェネ)がcaféに相当します。
ここでのポイントはи́ма(インマ)です。英語のThere is 〜.の構文を作ることが出来、「〜がある」を意味します。このи́ма(インマ)は人称と数に関係なく常に3人称単数形и́ма(インマ)だけが用いられます。従って、Та́м и́ма кафене́та.(タム インマ カフェネータ)と言うと、There are cafés there.に相当します。кафене́та(カフェネータ)がкафене́(カフェネ)の複数形です。
否定形は助詞не(ネ)を用いず、ня́ма(ニャーマ)と言う特別な形が用いられます。つまり、Ня́ма кафене́.(ニャーマ カフェネ)と言うとThere is not a café.、Ня́ма кафене́та.(ニャーマ カフェネータ)と言うとThere are not cafés.に相当します。