Bali
Vol.2
(参考文献:情報センター出版局「旅の指さし会話帳 バリ」)
◆バリ文字(Tulisan
Bali)とは
古代から周辺地域との交流が盛んだったバリ島。中世にはジャワ・ヒンズー文化の影響を受け、文字も定着して来ました。ここでは、アナチャラカで始まるaksara bali(アクサラ バリ)と言う、バリ語の基本となる音を紹介します。
バリ語とは話すための言語であり、バリ文字を正確に読めても、書ける人はそれほど多くありません。現在、学校で使うバリ語の教科書などバリ語を表記する場合はローマ字が主流となっていますが、ローマ字では正確に表せない発音があったり、地域によってスペルが違う場合もあります。ここでのバリ語は、主にウブド方面の言葉遣いを取り上げました。
バリ文字は全体的に丸みを帯びていて、アルファベットを丸っぽく書き、それをひっくり返したような形をしています。基本形は全てaの音を表し、ア行、ナ行、チャ行、巻き舌のラ行、カ行、ダ行、タ行、サ行、ワ行、ラ行、マ行、ガ行、バ行、ンガ行、パ行、ジャ行、ヤ行、ニャ行があります。
iの音を表したい場合は、それぞれの基本形の上に視力検査の時に使われる円の下の部分が切れているような形を書きます。
uの音を表したい場合は、基本形の右下に数字の7を180度回転させたような形を書きます。
eの音を表したい場合は、基本形の左にアルファベットの小文字yを縦長にしたような文字を書きます。
oの音を表したい場合は、基本形の左にアルファベットの小文字yを縦長にしたような文字を書き、右上にcを180度回転させたような形を書きます。
◆バリ語の発音
ほぼインドネシア語と同じですが、中でも母音には注意が必要です。特にaは、普通にアと発音する場合と、アとウの中間でオに近い音があります。更にウに近い発音をすることもあり、どれもカタカナでは表記出来ない曖昧な発音です。
◆バリ語の特徴
バリ語の特徴は、敬語があると言うことです。「ワンサ」と言う社会階層、年齢や親しさによって、言葉遣いが変わります。
更に丁寧な言葉には、丁寧語、尊敬語、謙譲語があります。普通語と丁寧語の中間にあたる言葉もあり、5種類に分けてよいでしょう。ただ、どの単語にも5種類の言葉遣い(表現)があるわけではなく、また、1種類でどの言葉遣いにも対応する単語もあります。
例えば、「食べる」の場合、以下のような4種類の表現があります。madaar(マダール)=普通語「食べる」、ngajeng(ンガジュン)=普通語と丁寧語の中間「食べます」、marayunan(ムラユナン)=尊敬語「召し上がる」、nunas(ヌナス)=謙譲語「いただく」。
◆Om Swastyastu.(オム スワスティアストゥ)
バリ語での最上級の挨拶表現です。「神の恵みによって、いつも平穏でありますように」と言う意味です。om(オム)は神を象徴する聖なる音です。返事も同じようにOm Swastyastu.(オム スワスティアストゥ)と言います。
◆Kenken kabare?(ケンケン カバレー)
英語のHow are you?、インドネシア語ではApa kabar?(アパ
カバル)に相当します。これに対して、英語のI’m fine.、インドネシア語ではBaik baik saja.(バイッ バイッ サジャ)と言いたい場合は、Becik
becik.(ブチッ ブチッ)と言います。
◆Matur suksma.(マトゥール スクスモォ)
英語のThank you.、インドネシア語ではTerima kasih.(トゥリマ
カシ)に相当します。これに対して、英語のYou’re welcome.、インドネシア語ではSama sama.(サマ サマ)と言いたい場合は、Sareng sareng.(サルン
サルン)と言います。
◆Ampura nggih.(アンプロォ ンゲェ)
英語のI’m sorry.、インドネシア語ではMinta maaf.(ミンタ マアフ)に相当します。これに対して、英語のThat’s all right.、インドネシア語ではTidak apa apa.(ティダッ アパ
アパ)と言いたい場合は、Sing kenken.(シン ケンケン)と言います。
◆バリ語での数字の言い方
インドネシア語では数字の読み方は以下の通りでした。
1=satu(サトゥ)、2=dua(ドゥア)、3=tiga(ティガ)、4=empat(ウンパッ)、5=lima(リマ)、6=enam(ウナム)、7=tujun(トゥジュ)、8=delapan(ドュラパン)、9=sembilan(スンビラン)、10=sepuluh(スプル)。
バリ語になるとかなり変化します。
0=nol(ヌル)、1=siki(シキ)、2=kalih(カレヘ)、3=tiga(ティゴォ)、4=papat(パパット)、5=lima(リモォ)、6=nenam(ヌナム)、7=pepitu(ピトゥ)、8=kutus(クトゥス)、9=siya(シヨォ)、10=dasa(ダソォ)。